最上胸糞映画セルビアン・フィルムのあらすじとネタバレ感想
評価・レビュー
★★★★★
セルビアンフィルムは映画、というより人間の限界にチャレンジした作品です。
もちろん、見終わった後につらい気持ちになるなど、ネガティブな感情は否定できませんし、人に勧められるような作品ではありませんが、それでもやはり後世に残る最悪な映画として一つの才能だと認めざるを得ないでしょう。
あらすじ(ネタバレあり)
元伝説的なポルノ男優のミロシュは、すでにポルノ業界を引退していました。
ある日かつての仕事仲間からポルノについての高額ギャラの話をもらいます。
妻と子供を養うお金が欲しかったミロシュは仕方なく、迎えに来た高級車に乗り込みます。
そこで、富豪のクライアントの要求に応える芸術的なポルノ映画に出演してほしいと頼まれることになります。
ネタバレ感想
映画史上最恐・最悪の映画と言えば、このセルビアン・フィルムではないでしょうか。
映画館に「この作品には倫理的に問題ある描写があります」なんていう立て看板が出るのはこの作品くらいでしょう。
タブーへの挑戦
人類最悪の行為は何だろうか、人を傷つけることか、人を殺すことか。
答は尊厳を奪うことでしょう。誰の?弱い人のです。
弱い人と言えば、女性、高齢者、障害者、子供の順でしょうが、この作品では当然限界を目指します。さらにそれに近親〇姦まで入れてしまうのですからもはや天丼の上にステーキと刺身と揚げ物が乗っているぐらいお腹いっぱいになるはずです。
ミロシュと大富豪
ただこういう世界観は他の作品でも見られます。イーライロス監督の映画「ホステル」では北欧に旅行した若者が現地で拉致され、大富豪たちのおもちゃにされて拷問されます。
人身売買と一言で言ってしまうと奇麗にまとまってしまっていますが、その中身を見て見えると何とも鬼畜です。映画「ホステル」はそんな鬼畜さがウケてイーライロス監督の代表作になりました。
日本でもカイジは賭博によって負けると奴隷のような生活を送ることになりました。
結局どこの国でもそういう考え方はあり、ミロシュのような貧民が大富豪のおもちゃにされるのはなんだか現実にもありそうでそれが一番怖いですね。
倫理観と映画
多くのレビューサイトで批判を受けているこの映画ですが、個人的にはフィクションである以上は案外すんなりと受け入れてしまいました。
結局人間の最大の武器は想像力であり、それを完全否定してしまうのはどうしてもナンセンスだと思いますし、この手のホラー映画を見慣れている自分からすると、倫理観のオンオフの切り替えがしっかりできてしまっていることに気づきます。
まるで外国では「人を焼いて食べる文化がある」と聞いて、ふーんと思ってしまうのに似ています。
最後に
そうは言っても簡単に人には推薦できる映画ではないですよね。でも普通の映画には飽きた、という人はたまには人の道を外してみてはいかがですか?