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映画カメラを止めるな!の評価・あらすじとネタバレ感想【ゾンビ映画?】

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

カメラを止めるなの評価

★★★★☆

面白かったです。

ゾンビ映画を見に行ったので肩透かしをくらった部分はありますが、お話の構成と脚本は素晴らしく万人受けする映画になることでしょう。

もちろん、カメラワークや役者の演技はまだまだなところがありますが、それを感じさせないストーリーの仕掛けにグダグダだった前半30分からラストまで怒涛の勢いで話が展開します。

カメラを止めるな!のあらすじ

廃墟でゾンビ映画を撮っていたクルーたちが突然現れたゾンビに襲われた一行はパニック状態になります。しかし、映画撮影に命をかけていた監督は現れたゾンビに本気で怖がるキャストたちに大興奮でカメラを回し続けていました。

 

その後もクルーたちはどんどんゾンビ化していき最終的に主役の女の子だけが生き残りますが、実はその裏ではゾンビ映画を撮影する監督とスタッフの必死の努力があるのでした。 

カメラを止めるな!のネタバレ感想

まず言いたいことはこれはゾンビ映画ではないということです。

ゾンビ映画として多くの人を惹きつけてしまう映画ですが、蓋を開けてみればゾンビ映画にかこつけたハートフルコメディになっています。

前半30分のグダグダ

ゾンビ映画を見てきた私としてははじめの30分はとにかくグダグダで苦痛でした、、、、「ん?」と思うシーンが3分に1回ぐらいある残念な映画。

しかし、そこからはじまる「1か月前」の文字。

この映画ははじめの30分の苦痛を乗り越えたものだけが見ることができる映画なのです。

はじめがグダグダだった分その後の怒涛の展開が目に焼き付きます。

 秀逸なシナリオ

今回はまず作品が来て、そのあと多くのオチが明らかになる(=回収されていく)映画の形態をとっています。

この手の撮り方は珍しく、うまく伏線が回収されていくため、見ている人は「あぁ、そういうことなのね!」と納得しながら映画を見続けることができます。

ここらへんはアイデア勝負ですね。

ラジオの時間に影響

監督自身が言っている話ですが、この作品は明らかに三谷幸喜の「ラヂオの時間」にかなり影響を受けています。ラジオの時間自体が生放送で起きるドタバタをみんなで解決する作品ですから、今回の設定にも被る部分が数多くあります。

本作が面白かった人は一度見ることを強くおすすめします。

 

 ゾンビ映画の新境地

日本ではゾンビ映画が圧倒的に少ないです。正確にはどうしても日本人がゾンビになるのがどうもしっくり来ないのです。

そのため、日本ではゾンビ映画のジャンルの決定版がありません。

中にはアイアムアヒーローのような良作もありますが。

www.horrorxzombi.com

 ですが、個人的な意見ですが、ゾンビ映画とは決してパニックものである必要はないのです。

 アメリカや他国でも最近はゾンビのコメディものが多く出てきています。

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 今回は「ゾンビ映画を撮る」という設定でゾンビ系の映画になっていますが、これは一つの日本でのゾンビ映画の形なのかもしれません。

三谷幸喜の映画のようなホームコメディが日本映画の花形であるならゾンビと融合する形で今後もゾンビ映画をみんなが見てくれれば私自身も嬉しく思います。

 

最後に

誰もがはじめは「ゾンビ映画を撮っていたら本当にゾンビが出てしまった」というパニックムービーを期待していたはずですが、見事に裏切られました。

ホラー映画ファンとしては悲しかったですが、まあシナリオはよくできていたのでそれなりに楽しめたということでぜひ他の人にも見ていただきたい作品です。