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映画バチカン・テープのあらすじとネタバレ感想・解説

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 バチカン・テープの評価

 ★★★☆☆ 

一言で言えば、衝撃的なジャケットの写真から「どうせジャケット詐欺でしょ」と疑いながらも見ているとそんなことないない、と思いながら見終わると「うーん、惜しい」となるような作品(一言になってない)

新しいものにチャレンジしようという気概と発展途上な結末ラストに結局プラスマイナス0な感じになるような作品です。

 余談ですが、悪霊系というのはシンプルに見えて実は奥が深いな~とつくづくこういう作品を見ると思います。そういう意味で死霊館シリーズはよくできているな~と思います。

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バチカン・テープのあらすじ

アメリカで暮らすアンジェラと恋人のピートは父親のロジャーとともに彼女の誕生日を祝っていました。

しかし、突然アンジェラが不可思議な方法で指を切ってしまいます。

それからというものアンジェラの周りでは不思議なことが起きます。

鳥が彼女の乗っている車に激突したり、彼女自身も記憶にないような奇怪な行動をとってしまいます。

そんなある日車で事故を起こし、入院した先の病院で植物人間になってしまいます。

ロジャーはロサーノ神父のすすめによって安楽死する方法を選びますが、人工呼吸器を切った瞬間にアンジェラは目覚めます。

誰もが奇跡だと喜んでいましたが、それからのアンジェラは周りの人間に次々と災厄をもたらし始めます。

家族や友人たちが何とかして彼女を救おうと手を尽くした結果、悪魔が取りついた可能性が高いとわかりロサーノ神父はカトリックの総本山であるバチカンにアンジェラの悪魔払いを依頼しました。

 ブルン枢機卿はバチカンからアンジェラの事件のためにアメリカに渡っていました。

彼はアンジェラを見て、一目で悪魔に憑りつかれていることを確信し、悪魔祓いをはじめます。

バチカン・テープの結末ラスト

 悪魔祓いを続けていると彼女は3つの卵を吐き出します。父と子と精霊だと枢機卿は説明します。

悪魔祓いは続きますが、アンジェラから悪魔を分離することが難しそうだと判断すると彼女を殺そうとします。

ナイフをつきつけて「正体を現せ」と詰め寄る枢機卿に突然アンジェラが消えます。

ロジャーたちはアンジェラが死んでしまったと思って錯乱します。

すると突然再びアンジェラが現れました。手には聖痕があります、。

 彼女のすさまじい能力にピート・ロジャー・枢機卿は殺されてしまいます。

一人生き残ったロサーノ神父はヴィカール・イマーニ教皇代理とともに彼女と戦うことを決意します。

その頃、よみがえったアンジェラは邪悪な本性を隠し、その超人的な能力で各地に奇跡を起こし始めました。彼女の辛抱者はどんどん増えていくのでした。

バチカン・テープのネタバレ解説・感想

 一見すると悪霊系のホラー映画に見えますが、少しひねりのある作品です。

まず悪霊系の作品としての出来は満足いくものだと言えます。

 アンジェラ役のオリビア・テイラーダドリーのメイクや演技は迫力あるもので満足です。

通常この手の悪霊系は少女が悪霊に乗り移られるケースが多いので、なんで大人の女性が演じてるんだろうな?というのが気になっていましたが、本作の根幹のメッセージを考えれば納得です。

 

バチカンテープの解説

バチカンテープのメインテーマは「悪霊退治をすること」ではありません。

よくある、「キリスト万歳」系の映画ではなく、今回は「反キリスト」がメインです。

つまり、キリストに変わる新たな「神」の存在の話だと考えられます。

個人的にアンジェラを「悪魔」と表現することは少し微妙かなと思っています。

というのも、今回はキリストとは違う新たな救世主や信仰先の存在の誕生がアンジェラであり、それを「悪魔」で済ませると少し制作側の意図がずれるように思います。

アンジェラは絶対的存在であり、悪とか、正しいとかそういう物差しで測れるものではありません。奇跡を起こせる存在であり、多くの人の尊敬を集める新たな指導者なのです。

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キリスト教の衰退

私たちにとってなじみが薄い宗教関係の話をすれば、このバチカンテープは複雑になりすぎた社会がもはやキリストの力では救いきれないことを象徴しているのではないでしょうか。

キリストが死んでから2000年あらゆるものが科学で証明できるようになり、人間は神や宗教の存在を必要としなくなりました。

しかし、一方で、今「死んだ人が蘇る」ような奇跡が起きれば、みんな力を失ったキリスト教ではなく、新しい「超人的なそれ」に簡単に傾倒することでしょう。

 

最後に

宗教的な内容が多分に含まれているので、日本人にはあまりピンとこない作品かもしれません。

そういう意味では「ラストが意味不明」などのレビューが増えてしまいネット上の評価が悪いのも納得です。

もちろん、ラストがうやむやに終わるのでなんともすっきりしない作品であるのは確かですが、善と悪の境目があいまいになっている世の中を象徴するような本作品はホラー好きには一見の価値があるものと思います。