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【映画レビュー】42 ~世界を変えた男~ のあらすじ・ネタバレ【Hulu視聴可能】

映画 42 ~世界を変えた男~ のあらすじ・ネタバレ【Hulu視聴可能】

出演: チャドウィック・ボーズマン, ハリソン・フォード, ニコール・ベハーリー, クリストファー・メローニ, アンドレ・ホランド

監督: ブライアン・ヘルゲランド 

【42 ~世界を変えた男~の評価やあらすじ】

点数 90/100点

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野球は本来、支持政党も肌の色も政治も関係ないものだった。

しかし、1945年の終戦以来野球は白人だけのスポーツになってしまっていた。

 

アフリカ系アメリカ人がヤンキースで試合をすることは絶対になく、白人はメジャー黒人はそれ以外のリーグで分けて試合を行っていたのだ。

しかしその慣習も変わることとなる。

 

400人いるメジャーリーガーの中でただ1人だけ黒人を入れる。

 

そんな思い切った決断をしたのがブルックリンドジャースのブランチ・リッキー会長だった。

はじめこの話をしたとき周りの者は全員反対した。 

法を破って逃げるより慣習を破るほうが罪が重い、

観衆はそれを絶対に許さないと

 

しかし、リッキーは続けた。

金に色などない。黒人の中にも裕福なものはいる。

金の色は黒白ではなく緑だ。

 

しかし、時代はまだ黒人差別の時代。トイレも黒人白人別だし、教育も別。

 そもそもプレイしている野球場も別な世界。

リッキーが目を付けたのが若くて将来性があり、実力もある、白人とのスポーツ従軍経験があるもの、ジャッキー・ロビンソンだ。

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ジャッキーにとってはまぎれもないチャンス。二つ返事でOKします。

しかし、リッキーは一つだけ条件を出します。

それは勇気を持つこと。

プレイは当たり前のこと。必ず挑発に乗らないこと、相手に反抗する勇気ではなく、相手に反抗しない勇気を持つことです。

野球選手として

 

・立派な紳士であること

・立派な野球選手であること

を条件とします。

 

はじめはそもそもブルックリンに行くだけでも苦労します。

飛行機は黒人の席が予約できないし、トイレは白人専用。

しかし実力はぴか一です。

 はじめは監督もファインプレーを黒人と理由で褒めませんでしたが、リッキーが「平等に扱わんとクビにするぞ?」と一括。

その後監督のドローチャーはジャッキーのよき理解者の一人になります。

 

 もはやジャッキーはただの野球選手ではありません。黒人でただ一人メジャーリーグに入った「フロリダの黒人少年のヒーロー」になったのです。

 しかし世間の風当たりは相変わらず厳しいものがありました。

観客からのブーイング、ありもしない法律を出してきて試合を中断させる保安官。

 「42 映画」の画像検索結果

 

「ニガーは出て行かなきゃならん。北部ではそれが法律だ」

 一方でこのころ少しづつジャッキーを応援する白人も出てきます。

「俺は応援してる。才能あるやつにはチャンスを与えるべきだ。」と

 

ジャッキーはその後順調に実力を見せつけメジャーへ昇格します。

しかし、ジャッキーのよき理解者の1人である監督ドローチャーの不祥事が発覚 

1年間の謹慎処分(実質解雇)が決まってしまいます。

ドジャースの監督不在の中、リッキーは改めてジャッキーとの契約をすすめることとなりました。はじめてつけるドジャース42の背番号に感無量となるジャッキー。

迎える者もいれば迎えないものもいました。初日はロッカー割り当てなし。相変わらずの白人席からのブーイング。判定は白人にひいきの判定。もちろん想定どおりの船出である。

しかし、それを跳ね返す ホームランで答えるジャッキー。

しかしブーイングの嵐は終わりません。

危険球を続ける投手もいます。

敵チームの監督は罵声を続けます。

 

追い込まれるジャッキー。

人前で自分を抑えられても裏ではもう抑えられません。

フィールドの裏で怒りが爆発、ついに会長に八つ当たりを始めます。

自分はここにいてできることはなにもないと泣き言までいいます。

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しかし会長は冷静に言い返します。 

「君にはこのグラウンドで打って得点をすることができる。野球で見返すべきだ」

ジャッキーはこの言葉でまた守備に戻ることにしました。

そしてまたジャッキーの打席。相変わらずの敵監督の野次に対して、なんと立ち上がったのは味方のセカンド新人スタンキー。

彼は立ち上がり敵監督に言い寄ります「言い返さないやつにみっともないことをするんじゃない」。

 ジャッキーにやる気が戻ります。ヒットで塁に出るとその後盗塁で3塁まで回ります。

これが決勝点となり、チームは勝利。ジャッキーは試合後スタンキーに「ありがとう」と言います。スタンキーはそれに「チームだから当たり前だろう」と返します。

ジャッキーがまた一つチームに認められた瞬間でした。

 

試合後はじめ会長に黒人を入れることを反対していたハロルドも敵監督に怒りをあらわにしていました。

会長は笑います。 

シンパシーはギリシャ語の「苦しむ」から来ているもの。ジャッキーの苦しみを感じるようになったからこそジャッキーのシンパシーを感じるようになったのだと。

 

さらにチームメートでリースにも脅迫状が来るようになりました。

リースは黒人の入団に反対するメンバーが多い中で唯一野球の実力で勝負しよう

とチームを説得していたメンバーでした。

脅迫状について相談されたリッキーはおもむろにロッカーを探しはじめあるものを見せます。

彼が見せたのは優に100を超える脅迫状。すべてジャッキーのものです。

ジャッキーの境遇を理解したリースは改めて強い気持ちで試合に臨みます。

 

リースだけではありません。チームの1人づつ変わっていきます。

中にはシャワーを一緒に浴びようといジャッキーを誘う選手もいます。

 

ジャッキー自身もかわっていきます。ある日故意に足をスパイクされたことがありました。チームメイトは仕返しに頭を狙えだの血気だってましたが、ジャッキーだけは試合で勝つことが全てと言って試合を継続させました。

 

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世間も変わっていきます。白人の少年がジャッキーのバッティングフォームを真似しだしたのです。

 

ただジャッキーには一つだけ疑問があります。

「なぜ自分(ジャッキー)をチームに入れたのか?」

はじめは金もうけのためとごまかしていたリッキー監督もジャッキーの真剣なまなざしに答えます。

 

彼が40年前黒人のキャッチャー首位打者を買っていたこと。彼は素晴らしい選手だが肌の色のせいで潰れたこと。それ以来野球における不公平さが許せなかったこと。つまりジャッキーを公平に扱うことでまた野球を好きになりたいと思ったのです。

 

そしてシーズンファイナル。対戦相手はオスターミューラー。以前はデッドボールを受けた相手。

 

勝負しろ

 

ジャッキーの挑発に乗ります。

結果はジャッキーのホームランで決まります。

 ブルックリンのワールドシリーズが決まった瞬間した。

 

【42 ~世界を変えた男~のキャストのレビュー】

あまり野球は見ないのですが、こんなに感動するエピソードがあるとは。

まず42という数字ですがこれは背番号を表しています。

メジャーリーグではこの42という背番号は永久欠番になっているのだとか。

 

本作では黒人の差別問題と野球で変わっていく社会が描かれています。

ここまで露骨な差別があったかわかりませんが、やはり社会的な問題は深刻だったのでしょう。

アメリカには歴史がないという人がいますが、文化の多様性ゆえに100年の間で他国にはない色々な歪みとの闘いがあったのだと思います。

ただいつの時代も紳士であることが重要です。

ジャッキーも耐えること(紳士であること)でこの苦しい時代を乗り越えたのでしょう。

そして野球が大好きという思いが彼らをつなげていったのですね。

 

これも知らなかったのですが、4月15日には各球団のオールスター戦で全員が42番をつけて試合をするのだと。

作中リースが言っていた言葉を思いだします。

 「全員が背番号42をつければ誰も選手を差別できなくなる」と

それは差別からの脱却を目指し、差別を忘れないための戒めなのでしょう。

 最後に一言

 

最近は薬物問題でオリンピックにロシアが出場できないことがありました。

本来スポーツが好きという前提ではじまるはずのおなじ志の人たちがこういうつまらないところで冷や水を浴びせられるのはなんとも悲しいですね。