縦の糸はホラー 横の糸はゾンビ 織り成す布はいつか誰かを暖めうるかもしれない

ホラー映画のあらすじからネタバレまで映画総合情報メディア

映画クリープスのあらすじとネタバレ感想【宇宙ヒルと大格闘!!】

 

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クリープスの評価

★★★★☆

古き良きクラシック映画というところでしょうか。

古さはありながらも単純なホラーだけじゃない万人受けする要素があるので誰と見ても十分楽しめる作品です。

映画クリープスのあらすじ

1986年大学に入学したロメロはシンシアという女性に一目ぼれします。

話しかける勇気を持たない彼を見た友人のフーパーは彼女に話しかけ彼女がベータに所属していることを知ります。

彼女と知り合いになるためにベータの入会試験を受ける彼らですが、試験は大学の研究所から死体を盗んでくるというものでした。

うまく侵入した彼らはそこで冷凍された死体を見つけ、それを解凍して持ち出そうとしますが、怖くなって逃げ出してしまいます。

すると死体から大きなヒルような宇宙生物「クリープス」が飛び出してきます。

それから町はゾンビのような人間が歩きわまわるようになります。

彼らはクリープスが脳に寄生していました。クリープス寄生した相手を殺し、脳に住み着き、大きく成長すると新たな宿主を探しに別の人間に寄生するのでした。

映画クリープスのネタバレ感想

自らをSFマニアというフレッド・デッカー監督の作品「クリープス」

宇宙ヒルという、なんだか実在しそうな化け物が地球に飛来してきて人間を襲うという作品ですが、実際はゾンビ映画を見ているような作品になっています。

(事実主人公はロメロという名前で、確実にジョージ・A・ロメロからとってるのは明らかですね)

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古い映画ながら良作

制作は1986年ともう30年以上前の作品にもかかわらず今見てもそれなりに楽しめるというのは、この作品が流行り廃りに左右されない面白さを持っているからでしょう。

それは友情、青春、笑い、冒険、興奮など多くの要素が絶妙なバランスでミックスされているからです。

ロメロとフーパーの友情や笑いしかり、シンシアとの青春しかり、何よりゾンビたち(正確には宇宙ヒルに洗脳された死体だが)がそれほど前に出すぎないのがいい。

ゾンビ映画によりすぎるとゾンビを殺すことが目的になってしまいますが、この作品の主眼はそこではなく、あくまでも人間関係にあります。

特にキャメロン刑事なんて最高です。

ゾンビ映画で出てくる刑事なんていうのは正義のヒーローか、武器を献上するだけのかませ犬かでしょうが、この刑事には昔人を殺した過去があり、その暗い過去が彼のキャラクターにより深みを持たせています。

この刑事が憎まれ口は何一つ捜査の役には立たないのですが、ジョークはさえわたっています。

特に女子寮に立てこもった際に「女子たち、良い知らせと悪い知らせがある。良い知らせは君たちの彼氏が迎えに来たこと、悪い知らせは奴らがみんな死んでるってことだ!」なんてノリノリな発言をしているあたりかなりの器でしょう。

最後に

青春映画として軽く見れるものでありながら、宇宙ヒルが飛び出してくるあたりは激しく頭が爆発したりと、ホラー映画好きにも中々楽しめる内容となっている本作。

フルHD版としてブルーレイも発売されており、この中には劇場版エンディングとオリジナルエンディングの両方が収録されています。ぜひブルーレイ版で見てみてはいかがでしょうか!

映画インサイドのあらすじとネタバレ感想【原作「屋敷女」との比較】

インサイド

インサイド

 インサイドの評価

★★★☆☆

フレンチホラーの一角でホラーファンの間では知らないものはいない名作「屋敷女」のリメイク作品。

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原作が神がかっているゆえにリメイクの難しさがあると思いますが、個人的には「アリ」な作品だと思います。

もちろん色々な点が原作には及ばないものの、パニック映画としては十分見れる作品になっていると思います。

結局、原作ファンには不評なわけですが、原作はスプラッタ描写が強すぎてホラー映画ファン以外には勧められないデメリットもあるので気軽にパニック映画を楽しむにはちょうどいい映画ではないかと思います。

インサイドのあらすじ

妊婦のサラは検診の帰りに重大な車事故を起こしてしまいます。

この事故で子供は無事だったもののサラは聴力と最愛の夫を失ってしまいます。

あるクリスマスイブの日、サラの家に見知らぬ女がやってきます。女は車が壊れたので電話を貸して欲しいと言いますが、サラは怪しんで断り警察に電話します。

再び眠りについたサラですが、その見知らぬ女は家に侵入しにサラに陣痛促進剤を注視します。

意識を取り戻したサラは女を押しのけバスルームに逃げ込みますが、注射された促進剤のせいで思うように動けません。

その時、隣人のゲイカップルの一人が訪ねてきます。その場は「自分はサラの母だ」と言って切り抜けましたが、ちょうどそこに本当のサラの母親が現れてしまいます。

サラは女と間違い母親を殺してしまい、女は隙をついて隣人の彼を殺しました。

サラはまたバスルームに立てこもると女は隣人のもう一人の男も殺してしまいます。

そして今度は警察官が現れますが、彼らもまた女に殺されてしまいました。

隙をついて家から飛び出したサラは警官の車に乗り込みますが、すかさず女もついてきます。もみ合いになりながら車を発進させましたが、車は電柱にぶつかってしまいます。女は気絶しサラは鍵の開いている近くの民家に逃げ込みます。

結末ラスト

そこではサラを長年監視していた跡がありました。女はサラに正体を明かします。

彼女もかつて妊娠をしていて、サラの起こした事故によって子供を失ったのでした。その復讐と子供を取り戻すためにサラを襲っていたのでした。

サラは逃げ出しシートの張られたプールで二人は対峙します。

そしてシートに穴をあけたサラは二人でプールに落ちます。

力尽きたサラは沈んでいきますが、女は子供を助けるためにサラをプールの上に持ち上げて力尽きます。

生き延びたサラはプールの上で産気づき、女の子を出産するのでした。

インサイドのネタバレ感想

半年前から楽しみにしていた作品がこの映画インサイド。

この作品自体はリメイクで元の映画はかの有名なフレンチホラー「屋敷女」です。

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 ちなみに原作の屋敷女もアメリカでの公開は「INSIDE」という名前での公開ですので少しややこしいですね。

はじめて屋敷女を見た時にホラー映画がより好きになったというか、細部までのこだわりや作品や世界観の完成度が完璧すぎて、そのリメイクというのはとても難しいだろうな~という不安と期待を持ってみました。

リメイクものの危うさ

ホラー映画のリメイクといえば、結構怪しいもの多く、最近だと「ハロウィン」なんて見れたものじゃなかったというのが本音の話です。

それぐらい名作だったり、完成された作品を補完するのは難しいんです。

では実際原作と比較して感想を述べていきたいと思います。

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主人公

原作の妊婦サラを演じたのはアリソン・パラディ、リメイクを演じたのはレイチェル・ニコルズです。

レイチェル・ニコルズと言えば、パニック映画P2でもストーカーに追いかけられてひどい目にあっていましたが、この人はこういう役が好きなんですかね(笑)

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個人的にはP2が好きということもありリメイクのレイチェル・ニコルズが好きです。

ラストの殺人女の子供の名前を聞いて「変な名前ね」というのは、いやいやお前が事故で殺したんでしょ、って思いながらも少し底意地の悪さを感じましたが(笑)

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ベアトリス・ダル

殺人女(見知らぬ女)

 これは完全に原作を演じたベアトリス・ダルの圧勝でしょう。

リメイクのローラ・ハリングそれなりでしたが、ベアトリス・ダルの怪演には及びませんでした。彼女は殺人鬼とか怪しい女をやらせれば一級ですので仕方ないでしょう。

もう普段からすでに不機嫌そうで顔が怖いですからね(笑)

スプラッタ描写

これも完全に原作の勝ちでしょう。今回はフレンチスプラッターまではリメイクのほうは忠実に再現しなかったというほうが正しいでしょう。

リメイクのほうが出血少な目、そしてラストの妊婦を切り裂く描写もないので素人には見やすい映画となっています。

シナリオの比較

基本的にリメイクは原作を忠実に再現していますが、ラストに向けては少し違います。

原作では警官がゾンビ化している不思議なシーンがあったりとはちゃめちゃしていますが、リメイクではカットされています。

そして何よりラストの結末が違います。

原作では見知らぬ女がサラのお産を助ける形で子供を取り上げますが、リメイクでは最終的にプールからサラを助けることで見知らぬ女は絶命します。

リメイクのほうがアメリカらしいハッピーエンド(実際には友人も母親も死んでいるのでハッピーエンドではないですが)ですが、少し余韻が足りないかなという感じもしています。

個人的にはこれも原作のほうが衝撃度が高かったです。(やはり屋敷女と言えばラストの例の出血ドバーですよね。)

まとめ

原作と比較してきましたが、まとめると個人的にはオリジナル原作のほうが好きですかね。

ただ、原作はパニック映画としてよりもスプラッタ映画のほうがジャンルとしてあっているので少し違うジャンル映画になったとも言えます。そのため、スプラッタが苦手な人はこのインサイドで十分恐怖を体感できる映画になっていると思います。

この娘何者?!映画The witch ~魔女~のあらすじとネタバレ感想

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The witch 魔女の評価

 ★★★★★

 「新しき世界」のパク・フンジョン監督の最新作はバイオレンス映画です。

韓国で大ヒットしただけあってとても面白かったです。

シナリオ、アクション、音楽、特殊効果、役者、全てが一定以上のクオリティを保ちながら、はじめは平穏に、そしてだんだんとテンションがかかっていく展開は2時間以上あるとは思えないくらい夢中になれる作品でした。 

The witch 魔女のあらすじ

酪農農家のク夫妻はある日傷だらけの女の子を保護します。

彼女は衰弱しているだけでなく、記憶を失っていました。

夫婦は彼女を養子にしジャユンと名付けます。

ジャユンは成長し、身体が弱った父親と認知症を患っている母とともに貧乏ながら平和に暮らしていました。

ある日友人のミョンヒにそそのかされ、テレビのオーディション番組に出ることにします。

華麗な歌声と得意の手品によって、本選を勝ち抜いた彼女でしたが、ある日番組の生放送に行く途中の電車で謎の少年に声をかけられます。

彼が誰だか思い出せなく不思議に思うジャユンだったが、それよりも彼女を悩ませるのは、実は彼女自身重病であり、実の親の骨髄移植によってしか延命できない危険な状態のことでした。

オーディション番組でジャユンを見た科学者ドクター・パクは彼女が10年前に自分の実験場から逃げ出した少女だと気づき彼女の拉致を計画します。

パクのもとで働くミスターチェはジャユンは危険なので殺すべきといいますが、パクは彼女を生きたまま捕えたいと考えていました。

同じころ謎の少年はドクターパクの同僚の研究者を次々と襲っていました。

彼はパクが海外から連れてきたパクの手下で、遺伝子研究を独占するために同僚を殺しているのでした。

ある日、ジャユンを拉致しようとしたYSエンターという会社の男たちがジャユンの家へ押しかけます。

武装した彼らに対してジャユンは無意識のうちに彼らを殺してしまいます。その動きは超人的でまるで人を殺すことにかけて慣れているようでした。

彼女自身戸惑いますが、謎の少年は彼女の正体を教えてあげるといい、ジャユンは彼の車に乗り込むのでした。

The witch 魔女のネタバレ感想

韓国産バイオレンス映画「The witch 魔女」。

はじめ、この題名から何のジャンルなのかわからず冒頭の血まみれの部屋を見ながら「死霊館みたいなホラーか?」なんて的外れな予想をしながら見始めたわけですが、予想をいい方向に裏切ってくれてこれはこれで「アリ」で満足できる作品でした。

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ジャユン役のキム・ダミが爆発

なんといってもこの映画の功労者はジャユン演じたキム・ダミでしょう。

彼女はこの映画で有名になった新人だそうです、あの演技で「新人なの?」と疑ってしまいます!

前半何も知らない家族思いの優しい女子高生だった彼女がある地点を境にすべてが演技で、最強の暗殺者として覚醒するところは同じ人間とは思えません。

韓流のいわゆる量産型(?)のような美人ではなく、整ってはいるけどむしろのっぺりしたたんぱくな顔の彼女。

そのシンプルな顔はあどけなさ、幼さが見える一方で、何を考えているか読みずらいようなところもあり、高校生と暗殺者の表情を両方こなします。

「キム・ダミ」の画像検索結果

韓国映画のレベルの高さ

韓国映画で好きな映画と言えば、オールドボーイでしょ、新感染でしょ、王になった男でしょ、コクソンでしょ~と上げるとキリがないんですが、本当にどれも素晴らしい作品です。

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 正直邦画よりも当たり率が高いかもしれないです。

韓流なんて言われて、韓国映画やドラマは恋愛ものが中心かと思いきやそれ以外のレベルも中々なものです。

今回のThe witch 魔女の超人的なバトルシーンなんて日本人がやるとどうしてもCGの粗さかアクションの弱さから迫力のないものか、嘘くさいものになっていたように思います。

それを超人的な動きとパワーがあたかもあるかのように描いたパク・フンジョン監督はさすがの一言です。

 最後に

最近見た映画で一番面白かったですね。この物語は第1章ということですし、ラストは続編がありそうな終わり方になっていますので続編にも期待です。

彼女は暗殺者としての一面とジャユンとしての一面があるので今後はその二つのはざまで苦しみそうです。

映画前半で丁寧に描かれたジャユンと家族、友人との絆を第2章以降でどう料理してくれるかがとても楽しみです。

ナチスのゾンビもの!映画オーヴァーロードのあらすじとネタバレ解説

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 オーバーロードのあらすじ

第二次世界大戦中の、アメリカ軍兵士のボイスたちは飛行機でドイツ軍の電波妨害装置を破壊する任務のためフランスへ向かっていました。

しかし、激しい戦場で対空砲の攻撃を受けたボイスたちの飛行機は墜落してしまいます。

 命からがら脱出したボイスは生き延びた仲間のフォード、チベット、チェイスと合流しドイツ軍のいる村へ向かいます。

その途中村の娘であるクロエに出会います。

彼女は両親をドイツ軍に連行され、彼らを恨んでいました。

クロエに連れられ、ボイスたちはまんまと村に侵入することに成功します。

村に侵入したボイスたちはナチスの将校のワフナーを捕えます。

偵察に行っていたチベットたちを探しにボイスが外に出ますが、途中軍用犬に見つかり、仕方なくトラックに身を隠します。そのトラックには死体が積まれており、軍事施設のある教会に入っていきます。

そこではナチスの医師が人体実験をしており、首だけの人間がしゃべったりと異様な光景でした。

ボイスはその中に仲間のローゼンフェルドを見つけ、連れ帰ります。

ボイスはクロエの家に戻ると見たことをみんなに話します。

半信半疑のチェイスたちはワフナーを拷問して情報を聞こうとしますが、逆に隙をつかれて逃げようとしたワフナーにやられ、チェイスが死んでしまいます。

ボイスは研究所から持ち出した薬をチェイスに打ちます。するとチェイスは生き返りますが様子がおかしく、最終的に彼らはチェイスを殺します。

どさくさに紛れて逃げ出したワフナーはクロエの弟を連れて行ってしまい、一行はナチスの軍事施設へ向かうのでした。

オーヴァーロードのネタバレ感想

ナチスのゾンビものといえばナチス・オブ・ザ・デッドやゾンビソルジャー、処刑山 -デッド・スノウ-などゾンビ映画のファンであればいくつかあげることができると思います。

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 いつの時代もナチスというのは憎まれ続けるもので、ゾンビのように銃を撃ちまくって殺すのにナチスのいうのはイメージがぴったり合うのでしょうか。

さて、ナチスゾンビものの多くは現代に生き残るナチスの残党であったり、氷の中にマンモスのように眠っていたりと、舞台は現代が多いのですが、本作オーヴァーロードでは第二次世界大戦下のフランスが舞台になっています。

そのため、7割がたが戦争映画のような展開です。題名となっている「オーヴァーロード」も連合軍によるドイツ占領地域への侵攻を指します。

ナチス軍に占領された村を奪還する(正確には妨害電波装置の破壊が目的ですが)というのは戦争ものとしてはありそうな話で、ストーリーも安定の展開を見せます。

ゾンビ映画ファンには不満も?

レビューサイトを見ると評価は比較的上々のようですが、私のようなゾンビもののファンには少し物足りなさを感じます。

そもそもあれはゾンビなのか?という疑問すら沸きます。

確かに死んだ人間に薬を投与して生き返らせるのはむしろラザロエフェクトのような話だと思うのですがあれは明らかにゾンビ映画とは呼ばないでしょう。
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 みんなが想像するゾンビというのは、知能が低く、本能の赴くままに相手を襲い、見た目がボロボロというイメージでしょうが、本作のゾンビと言われるものは理性を保ち、力がパワーアップし、見た目はボロボロどころか生きてる時よりも生き生き(?)していますので少しゾンビというにはイメージに合わないかと思います。

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総合評価

エンタメ作品としては見やすい部類の作品です。

ハリウッドの大作ゾンビといえば、ワールドウォーZですが、同じくらい気合の入った作品だと思います。

展開も比較的早く、登場人物のキャラクターもそれぞれがいい味を出しており、どのキャラも愛すべき特性を持っているものでした。

ゾンビやホラーが苦手な方にもおすすめの作品です。

地獄へ連れてけ!映画トゥ・ヘルのあらすじとネタバレ感想

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トゥ・ヘルのあらすじ

トラック運転手のジョーは借金まみれの荒んだ生活を送っていました。

彼は愛する妻と子供を失い、苦しんでいました。

ある日コンビニのトイレに寄った彼は物音がしてのぞき込むとそこには男に首を絞められている女ジュリーがいました。

ジョーは男を叩きのめし、ジュリーを助けますが、逆にジュリーに責められます。

訳を聞くと、ジュリーの娘ビリーが事故にあい、意識不明の重体であり、娘を助けるために幽体離脱する必要があると説明しました。

彼女は意識を失うことで死の世界へ行き、娘の魂を呼び戻すのでした。

 しかし、意識を取り戻したビリーはいつもと様子が違い、特にジョーを見る目が違います。

彼女には妻のメアリーの魂が乗り移っていたのでした。 

トゥ・ヘルのネタバレ感想

ああ、ニコラス・ケイジよ、どうしてしまったのだ。

かつてはコンエアーやナショナルトレジャーなど「少し癖はあるが根はまっすぐ」な主人公を演じていたころが懐かしい。

最近のこのトゥヘルといい、「マンディー地獄のロード・ウォリアー「といい、「マッドダディ」といい

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 ニコラスケイジは頭がおかしくなった人の役が非常に多く、しかもうまどんどんうまくなっています。

特にこのトゥヘルよりも「マンディー地獄のロード・ウォリアー」でのダサイ衣装にむさ苦しい髭での蛮行はもはやハリウッド俳優というブランドをかなぐり捨てての怪演です。

なぜだかどうして、ナショナルトレジャーで学者をしながら謎をといていたイメージからいつの間にか、底辺のホームレス一歩手前のような役が多くなってしまったのか。

これは彼が自らそういう役を選んでいるのか、それとも私生活が借金まみれだから仕方なく日銭を稼いでいるのか。

もはや「主役がニコラスケイジだから安心して見れるね」というたぐいの人物ではなくなってしまったのか。。。

ただ、Wikipediaでニコラスケイジを調べると彼のプライベートは借金まみれであることがわかります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコラス・ケイジ

実は素のニコラスケイジはこういう荒んだほうがあっているのかもしれません。

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 トンデモ設定

 しかもこの映画、出演している役者の演技もそれなりのものであるが、どうしてもチープさが否めないのはそのトンデモ設定です。

なにしろ冒頭で臨死体験で死者の世界と行き来できる女が出てきたと思えば、その結果、娘に乗り移ったのが別の男の元嫁という展開。

あらかじめ内容を知らないと突然の展開についていけなくなってしまうのですが、この映画がギリギリ見れる作品なのはやはりニコラスケイジにしろ、出演者の迫真の演技のたまものなのでしょう。

最後に

ドタバタした映画で万人受けする映画ではないものの、荒んだニコラスケイジを見たい人はぜひご覧ください。

哀しき女が悪霊化!映画ラ・ヨローナ 泣く女のあらすじとネタバレ感想

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ラ・ヨローナ 泣く女のあらすじ

その昔、メキシコのある村に美しい娘がおり、資産家の男と結婚をしました。

2人の間には子供が二人生まれ、幸せな家庭を築いていましたが、ある日男が若い女と浮気をしてしまい、それを知った娘は嫉妬に怒り狂い、夫への見せしめに大事にしていた二人の子供を川で殺してしまいます。冷静さを取り戻した娘は大事な息子を失った悲しみからと絶望感から自殺してしまいますが、今でもその魂は成仏できず、さ迷っては子供をさらっていく、という伝承になっていきました。

1973年のロサンゼルスでシングルマザーでソーシャルワーカーのアナは息子のクリスト娘のサムと暮らしていました。夫は警官で殉職したのでした。

ある日アナは自分が担当していたアル中のパトリシアの二人の息子が登校していないと連絡を受け、警官とともに様子を見に行きます。

パトリシアは半狂乱で二人の子供をクローゼットに閉じ込めていました。

アナは虐待を疑い、すぐに子供とパトリシアを遠ざけ二人を施設へ預ける手配をします。

しかし、その夜、二人の子供は施設から抜け出し、水死体で発見されるのでした。

パトリシアはラ・ヨローナから子供を守ろうとしたのにアナに邪魔をされた、と叫びました。

現場へ急行したアナの車で待っていたクリスは社外に出ると現場近くで泣いている女を見つけます。

女はクリスを連れて行こうとしますが。それを振り切り、逃げ出します。

車まで追いかけてきた女ですが、突然と姿を消してしまいました。

次の日、傘を持って歩いていたサムも泣く女を目撃します。

2人とも女に捕まれた腕に火傷のようなアザのようなものができていました。

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アナたちに迫るラ・ヨローナ

その夜アナの周りにも不思議なことが起き始め、アナもラ・ヨローナの存在に気づきます。

アナはパトリシアにラ・ヨローナのことを聞き、教会に助けを求めると、元神父のラファエルを紹介されます。

ラファエルは教会からは一線を置いているものの、独自の悪魔祓いを行っており、ラ・ヨローナの除霊に力を貸すことになりました。

結末ラスト

その夜、3人の待つ家にはまた来年ラ・ヨローナに襲われるのでした。

しかし、ラファエルは果敢に悪魔ばらいを行い、ラ・ヨローナを追い出し、家に結解を張ります。

しかし、そこへ銃を持ったパトリシアが現れ、結解を作っていた粉をはらってしまいます。

結解が解けた瞬間ラ・ヨローナはサムとクリスへ襲い掛かりますが、ラファエルの十字架を使い、アナはラ・ヨローナを撃退します。

彼女らは呪いから解放されたのでした。

ラ・ヨローナ 泣く女のネタバレ感想

ソウシリーズや死霊館シリーズで有名なジェイムズ・ワンの作品です。

このラ・ヨローナは一応死霊館シリーズに属する映画ですが、本編ストーリーは全く別物で、世界観を同じにしているだけです。

作中の神父がアナベルと昔対峙したことがある、というレベルでの接点だけです。ですが、ファンにはアナベルがちらっと出てくるだけで嬉しいものです。

泣く女

まず映画の題名にもなっている「泣く女」という部分はホラー映画に深みを与えます。

ラ・ヨローナはこれまで出てきた死霊館シリーズのアナベルやヴァラクに比べると自ら愛した子供を失った絶望と怒りを持った感情的モンスターなのです。

そのため、彼女の狙うのは「子供」であり、それを守る「大人」が今回の構図になります。

ホラーとして怖さ弱め

ラ・ヨローナは子供を狙うを狙う分、少しホラーとしての恐ろしさが半減しているように思います。簡単には死なないですし、暴力描写は少な目、ラ・ヨローナが子供を連れて行くときは力づくで、というよりは誘い込んで連れていく、ペニーワイズタイプといえるでしょう。

ペニーワイズを知らない人はこちら↓

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 ラ・ヨローナはメキシコでは有名な幽霊である一方で、少しかわいそうな悪霊であるがゆえに、アナベルのような凶悪さがいまいち足りないのが残念でした。

哀しいホラーを作れればそれもプラスに働いたのかもしれませんが、残念ながら本作では泣く女としての「悲哀」の部分は描き方が足りず、単なる迫力の削がれたホラーで終わってしまっています。

最後に

 ラ・ヨローナシリーズを見る前にアナベルシリーズをまずは見ると神父や作中に出てくるアナベルに気づくと思います。

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 最近は大人気の死霊館シリーズですが、まだ見てない方はどうぞこちらもご覧ください。

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北村龍平監督!映画ダウンレンジのあらすじとネタバレ感想

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ダウンレンジのあらすじ

アメリカの荒野を1台の車が走っていました。

この車に乗っていた大学生カップルのトッドとサラ、相乗りしていたジョディ、ケレン、ジェフ、エリックたちはパンクを直すために車の周りに集まっていました。

すると突然タイヤを交換しようとしたジェフが狙撃されます。

近くにいたサラも狙撃され頭を撃ち抜かれて死んでしまいます。

混乱しながらも彼らは車や木の陰に隠れます。

狙撃犯は少し離れた木の上におり、少しでも彼らに隙があると撃ってきました。

エリック、トッドと立て続けに撃たれてしまい、残りはケレンとジョディになります。

その後も別の通行者や警察が駆けつけますが、全てスナイパーにやられてしまいます。

結末ラスト

ケレンも殺されてしまい、ジョディは一人になってしまいます。

やけくそになった彼女はパトカーに乗り込むとスナイパーの狙撃を交わしながらスナイパーの潜む木に突撃します。

その衝撃で木から落ちたスナイパーは慌ててジョディを殺そうとしますが、ジョディは落ちていたライフルで銃弾を浴びせて殺します。

激しい怒りと混乱で何度もライフルで犯人を殴打していると銃が暴発し、ジョディも死んでしまうのでした。

ダウンレンジのネタバレ感想

大学生が車に乗って出かけるとロクなことが起きない。

私の知る限り、大型の車に荒野を走る人たちは、総じて悪人か、パリピか、神様に見捨てられた類の人間で、例にもれず死にます。

テキサスの荒野を走っていれば皮をはがされ、キャビンに泊まればモンスターたちが襲って来るし、湖の近くでキャンプすればホッケーマスクを被った奴が襲って来る。

いずれにせよ大学生の遠出はロクなことが起きない。

それでも大学生は外へ出かけるのです、今日もホラーファンのために。。。。

ある日スナイパーに狙われて

前置きが長くなりましたが、今作も迷える子羊たちがなぜかスナイパーに狙われると言うシンプルな作品です。

なぜ今?なぜここで?どうして私たちが?そんなことはどうでもよく、今この場所で命を狙われているんだからとにかく必死に逃げろ、という映画ですのでそれ以上でもそれ以下でもありません。

犯人も動機も、生き残りもいません。文字通り救いのない話です。

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北村龍平監督作品

そんな映画にも関わらずこの映画を見ようと思う人はおそらく監督が日本人、北村龍平さんだからでしょう。

日本人でもこういう映画を撮れるんだな、とある意味期待してしまいます。

どうしても日本人は呪いだとか霊だとか、とにかく理由を求めてしまうんですよね。だからその理由がきれいかきれいじゃないかで作品が評価されがちなので、この手の意味なし殺人ゲームは好まれないわけです。

一方で、海外ではこの手の淡々と人が殺されていくパニックやスリラーものはよくあるのでそれを日本人の感性で作るのはすごいと思います。

スリラーとして上出来

ちょっと前に見た海底47mという作品もよくできていましたが、

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 これも低予算ながらよくできた作品だと思います。

特に死体の出来、その死体が車に轢かれたり、カラスに食べられたり、の部分はかなり精巧にできていて感心しました。

ちょっとかわいいな、と思っていた女の子がすぐ死んで、ぽっちゃり暗めの女子は最後まで生き残ってしかも犯人まで殺してしまうなんて、、、これも予想をいい意味で裏切っていてグッドです。

最後に

映画館で見ると物足りなさを感じてしまうかもしれないですが、それでも日本人の作るパニックスリラーとしてはとても未来を感じる作品で、これからの北村監督に期待できる作品だと思います。

海底から脱出せよ!映画海底47mのあらすじとネタバレ感想

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 海底47mのあらすじ

 恋人に捨てられたリサは妹のケイトとともにメキシコ旅行に来ていました。

ハメを外していた彼女たちは現地で知り合った男たちにケージ・ダイビングに誘われます。

それはケージの中に入り、撒き餌で寄ってきたサメを見るというとても危険なものでした。

気の乗らないリサをなんとか説得したケイトたちは、ケージごと海に飛びこみ興奮気味にサメの鑑賞を楽しみます。

しかし、いざ戻ろうとするとケージを支えていた支柱が折れてしまい、海底47mまで落下してしまいます。

 水深が深すぎて無線が届かないためケイトは浮上して助けを呼びます。すると船長のテイラーが呼びのケーブルで引き上げてくれることになります。

安心する二人でしたが、刻一刻とボンベの酸素は減っていきました。

そして、ケージの周りにはサメがリサとケイトたちを今かと今かとうろついているのでした。

途中サメに襲われながらもなんとかケージをケーブルにつなげたリサたちでしたが、予備のケーブルも切れてしまい再び海底へと落下してしまいます。

しかもさらに悪いことにリサはケージと海底の間に足を挟まれてしまいます。

ケイトはテイラーに酸素がないことを伝え、船から追加のボンベを落としてもらいます。しかし、ボンベを取りに行くためにケージの外に出るとサメに襲われてしまいます。

ケイトは重傷を負い、周りにはサメが集まってきます。

リサは浮上し自分で助けを呼ぶ決意をします。

結末ラスト

 リサは潜水病にならないよう慎重に海面に浮上していきます。

水面まで上がりかけたその時、サメからの攻撃を受け海に引き戻されます。

必死に抵抗し、船に上ることができたリサはそこにケイトがいることに気づき喜びます。

しかし、それらは全て酸素ボンベの窒素を吸ったことによる幻覚でした。

リサは救助隊に助けられますが、まだケイトを探しているのでした。

海底47mのネタバレ感想

あまりダイビングをやったことない人間からすると海底47mというのは全く想像がつかないのです。

海底2万マイルというディズニー映画がありましたが、それに比べると47mか。。。。と少し肩を落としてしまいますが、体験ダイビングでせいぜい5mくらいしか潜らないことを考えると47mというのはそこそこ深いらしいです。

ただ、この47mというのが妙にリアルなおかげでパニック映画に大事な”切迫感”につながります。

いわゆる"窒息もの"

パニック映画としては、見る前はサメ映画かと思いきや、完全に”窒息もの”でした。

窒息ものは多くは箱に入れて土中に埋められたりするものが多く、海での窒息ものはありそうで無かったので結構珍しく、楽しめました。

サメ映画として見ごたえあり

最近サメ映画と言えば、竜巻に乗ってきたり、戦艦ぐらい大きかったり、タコと合体してたり、頭が3つあったりと「サメって。。。(笑)」という作品ばかり見ていました。

方やMEGのような中国万歳のアクション大作が出てきたりと何かとサメ映画業界は鎮まることを知らない業界でした。

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 その点海底47mは登場シーンこそ少ないものの立派なサメ映画です。

サメ映画好きにはたまらない作品となるでしょう。

ストーリーは普通

映画としては大変満足できるもので良くも悪くも普通の映画でした。

ワクワクドキドキというシーンもあるし、ラストに窒素で妄想を見ることになりますが、それ以外はとんとん拍子に物語が進むことになります。

最後に

映画海底47mはサメ映画として、パニック映画として安心して見れる作品です。

パニック映画好きなら一度は見て損はない作品だと思います。

また、ダイビング好きな人には人一倍その怖さが楽しめる作品のはずです。

15年監禁の理由は?!オールドボーイ【韓国版】のあらすじとネタバレ感想

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 オールドボーイのあらすじ

オ・デスは会社帰りのある日、何者かに襲われて気を失います。

目を覚ますとそこは窓のない部屋で、食べ物だけが毎日運ばれてきます。

テレビも設置されたその部屋で彼は15年もの間監禁されたのでした。

その間彼の妻が殺害されオ・デスは何とか脱出できないものかと画策します。

ある日、目を覚ますと建物の屋上に彼は開放されていました。

記憶を手繰りながら日本食の店に入った彼は出されたタコを食べるとそのまま気を失ってしまいます。

仕方なく料理やで働くミドはオ・デスを介抱することになります。はじめはぎくしゃくしていた二人ですが、次第に心通わせるようになっていき、オ・デスが監禁されていた場所を探しに出かけます。

宅配された餃子からなんとか監禁場所を探しあてた彼は、そこで首謀者から自分が監禁された理由を探すゲームを提案されます。

必死に自分が監禁された理由を探すオ・デスはいつしかミドと結ばれ身体の関係を持ちます。

そしてついにオ・デスは首謀者がウジンという男で、彼が自分の高校の同級生であることを突き止めます。

ウジンに会いに行ったオ・デスは復讐の理由を聞き驚愕します。

ウジンは実の姉と近親愛の関係にあり、それを目撃したオ・デスによって噂が広まり、姉は自殺してしまったのでした。

ラスト結末

 ウジンはそれからというものオ・デスへの復讐ばかり考えて生きてきました。

そして、オ・デスにあるアルバムを見せます。そこにはオ・デスと幼いころのミドが映ってます。彼女が実の娘であることを理解したウジンは自らの舌を引き抜き自分を戒めます。ウジンはそれを見て満足し自殺してしまいました。

オ・デスは催眠術師に自らの記憶を消してもらうようにお願いします。

彼はミドと再会し、力なく微笑むのでした。 

オールドボーイのネタバレ感想

「韓国映画で好きな映画は?」と聞いてオールドボーイ、と答える人はいないと思いますが、「韓国映画で救いのない映画は?」と聞くとオールドボーイを上げる人はいるのではないでしょうか。

そのラスト結末から救いのない映画としてランクインするこの映画「オールドボーイ」。

スプラッタ描写、残酷な描写は最低限に、それでも人間として超えてはいけない一線と現実にやるせない気持ちになります。

救いのないラスト結末

オールドボーイで注目されるのはラストでウジンがオ・デスへの復讐のネタばらしをするところでしょう。

催眠状態にあったとはいえ、親子であったミドとオ・デスを愛しさせ、肉体関係を持たせたのは正直お見事、これ以上にない復讐となりました。

本当の愛とは

オールドボーイを見てからガラにもなく、「本当の愛って何だろう」なんて思ってしまいました。

実の娘を愛してしまった(一方は実の父親を愛してしまった)のは紛れもない事実であり近親相姦であることに嫌悪感を感じたオ・デスでしたが、物語はそれに終わらず、最後に催眠術師に記憶を消させたところも興味深い展開です。

つまり、オ・デスはもう一度ミドを愛そうと決めたわけです。

自分が犯した罪を悔いて自殺するなり、ミドの前から姿を消すなり、いくらでも方法はあったにも関わらず彼は「近親相姦」という事実から目を背けることにしたのです。

もはやこれは単なる性欲を越えた本当の愛になりえるのではないかと思ってしまいます。

こんなことを書くと変な目で見られるかもしれませんが、真の愛というのは男女間にはないと思っています。

男女間にある恋愛感情には根底に犬畜生にもある「性欲」があるわけですが、男色やゲイ、もしくは親子愛というのはそこから一歩進んだ「愛」ではないかという考え方があります。(私は同性愛者ではありませんが)

リベンジの形

リベンジと言うとハリウッド映画に代表されるようなショットガンを持って単身相手のアジトへ乗り込んで、、、というような派手なものを想像してしまうのですが、ウジンの復讐はそんな殺して終わりの復讐ではありませんでした。

むしろ、15年監禁している時点でほとんど死んだも同然の生活を送っており、文字通り「殺しても殺したりない」ほど憎かったのでしょう。

それはやはり一族の恨みというよりは愛する人を失った心の痛みから出てくるのでしょう。ウジンは大金持ちという設定でしたので、他にいくらでもやりようがあったのでしょうが、敢えてこんなに手の込んだやり方を選んだのは、彼自身が必死に考えて自らの手で実行する、という怨念すら感じます。

 

最後に

印象深いセリフが多い本作ですが、やはりラストで「獣以下の自分だが、生きる権利はあるのではないか」という生にすがるシーンはなんとも魅力的です。

あそこでオ・デスまでが自殺してしまっては本当に救いのない話なのですが、確かにオ・デスはミドを愛し、彼女もオ・デスを愛しているということは紛れもない事実で、オ・デス自身も前向きに歩き始めたのは地獄の中の一つの希望として最高で最悪のラストでした。

エナジードリンクで狂暴化!Z-Bull(ゼットブル)のあらすじとネタバレ感想

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Z-Bull(ゼットブル)の評価

★★★☆☆

軍事兵器会社がある強化剤入りドリンク「ゾルト」を飲んで社員が狂暴化するバイオレンスコメディです。

期待に漏れずのB級映画で、バイオレンス描写や笑いも暇つぶしには最適な作品です。

似たような作品で言えばZinc.あたりが似ているでしょうか。 

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 個人的にはZinc.のほうが暴力的な映画で、こちらのほうがだいぶコメディよりになっています。

Z-Bull(ゼットブル)のあらすじ

軍事企業のアモテック社で働く冴えない経理マンのデズモンドはいつものように遅刻して出社すると会社の状況が一変していました。

そこでは新商品の集中力強化ドリンク剤「ゾルト」を飲んだ社員が殺し合いをしているのでした。

デズモンドの上司ナスバウムも狂暴化しており、次々と他部署の人間を襲っては殺すか、味方に引き入れているのでした。

デズモンドは生存者を探して、断食中だった同僚のムラトと半分だけゾルトを飲んでしまった幼馴染のサマンサとともに建物から脱出しようとします。

しかし、窓を割ろうとした瞬間、警備システムが作動しビルは封鎖されてしまい、この封鎖状態を破るために最上階にいるCEOのガントを探すしかないのでした。

 

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Z-Bull(ゼットブル)のネタバレ感想

題名からして翼を授ける例のレッ●ブルを想像してしまいますが、全く関係がありません。むしろは原題は「Office Uprising」なので日本の配給会社がふざけただけの題名です。

しかもZとついているのでゾンビものか?と思いきや、ゾンビは全く関係ありません。強いて言えば強化剤ドリンク「ゾルト」からきているZとみるべきでしょう。

ただし、題名による効果は絶大です。

この手の映画では題名とジャケットで、まず「お、おもしろそうじゃん」と思わなければ検討の土俵にすら乗りません。

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ブラックコメディ

アメリカの悪徳産業といえば製薬会社、弁護士、そして軍事会社でしょうか。

本作の舞台は軍事会社のアモテック社で、社員のモラルのないことないこと。

一番笑ったのは営業部の人間がゾルトを飲む前と後でそれほど言っていることが変わっていないということ。武器を一生懸命売る、軍事会社の営業マンを皮肉っていることこの上ありませんでした。

マーケティング部の体育会バカたちも中々でした。最近は軍事=筋肉バカというイメージも時代遅れな気がするのですが、妙にしっくりきてしまいました。

豪華なキャスト

B級映画でありながらキャストはどの人も見たことある人ばかりでした。

ヒロインのジェーン・レビィは、ドントブリーズの女の子ですぐに気づきました。

そして、何より自分が嬉しかったのが、主人公のいかれた上司を演じたザッカリー・リーヴァイです。テレビドラマ「チャック」のころからのファンで、最近はシャザム!など映画でも注目を浴びている人です。

主人公は、、、、すいません知らない人でした。。。

最後に

 バイオレンスコメディが好きな人には十分暇つぶしに楽しめる作品です。

 最近は会社で殺し合いが流行っているのでしょうか。

 サラリーマンバトルロワイヤルなんかも楽しめるかもしれません。

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