縦の糸はホラー 横の糸はゾンビ 織り成す布はいつか誰かを暖めうるかもしれない

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映画パージ:アナーキーのあらすじとネタバレ解説・感想【2作目】

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 評価レビュー

★★★★★

前作パージの大ヒットを受けて制作された正統派続編のパージ:アナーキーです。

パージシリーズはシンプルでかつ大胆な設定の中で描かれる、スリル、愛情、友情、尊厳、葛藤が見事に描かれる究極のスリラー映画だと思っています。

特に前作よりもよりパワーアップし、オープンワールドになった世界観と登場人物のそれぞれの思惑が錯綜する展開は続編ながら違った面白みを味合わせてくれます。

なお、前作はこちら。

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続編はこちらです。

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あらすじ

経済崩壊したアメリカは治安維持のため、毎年1年に一度、殺人を含むすべての犯罪を合法化するパージと呼ばれる日を制定していました。

パージの日、ロサンゼルスに住むウェイトレスのエヴァは娘のカリとともにアパートに閉じこもっていると同居する父がいないことに気づきます。彼は生活が苦しいエヴァたちのために自らをお金持ちに売ったのでした。

悲しみに暮れるのもつかの間、同じマンションに住む住人が彼女たちを殺しに来たり、謎の武装した集団が部屋へ押し入ってきます。

同じころ、シェーンと妻のリズは車で家への帰り道、車がパンクしてしまいます。

タイヤを見ると誰かに故意にパンクさせられた跡が残っています。

パージが今にもはじまるため焦る二人は歩いて家路につきます。

武装集団に捕まったエヴァたちですが、たまたま通りかかったレオが見るに見かねて彼女たちを助けます。

車に戻るエヴァとレオたちはレオの車に忍び込んだシェーンたちを見つけます。

仕方なく運命共同体となったレオ、エヴァ、カリ、シェーン、リズは銃を構えながら無法地帯となったロスの街を歩き、エヴァの友人ターニャの家に向かうのでした。

しかし、ターニャの家も安全ではなく、彼らは謎の集団に捕まってしまい富裕層の狩場に連れていかれてしまうのでした。

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結末ラスト

富裕層たちの狩場から逃げ延びたレオは当初の目的である自分の息子を殺した男ウォーレンの家に向かいます。

レオは裁判で無罪になった彼が許せずパージの日に復讐する計画を立てていました。

ウォーレンを追い詰めたレオですが、結局彼を殺すことはできませんでした。

そのころ武装集団がレオを追いかけてきます。

撃たれたレオは倒れますが、ウォーレンが武装集団を迎撃します。

エヴァも加勢して膠着状態になりますが、そこでサイレンの音がなりパージが終了します。

エヴァはレオを急いで病院へ連れて行くのでした。

ネタバレ感想・解説

パージシリーズの第2作目です。

1作目からより世界観が大きく、より混乱した世界を描くこの2作目のパージ:アナーキーは1作目から見ても楽しめますし、今作から見ても十分内容が理解できる作品になっています。

今回はこのパージ:アナーキーの魅力を感想とともに解説していきます。

パージとは

パージとはそう遠くない未来で経済崩壊したアメリカが舞台のお話です。

その世界では貧富の差が激しくなり、犯罪率は増加の一途をたどっていました。その時に政権をとったのが、「新しいアメリカ建国の父たち」という人たちでした。

彼らは、増える貧困層と犯罪抑制のために「1年に一度、殺人を含むすべての犯罪がが合法化される」パージという制度を作ります。

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パージの目的

パージの目的は「犯罪の抑制」と言われていますが、裏では”貧困層を殺すことによって社会保障制度の安定を図る”ことを目的としています。

ですので、パージの日にはお金持ちは家を防衛システムで多い、強力な武器で戦いますが、貧困層やホームレスはただただ逃げ惑うしかないのです。

この辺のお話はパージの1でした。

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 パージの制限事項

全ての犯罪が合法化されるパージですが、いくつか禁止事項もあります。

・一定クラス以上の武器の使用の禁止

・一定クラス以上の人物への犯罪行為の禁止

一つ目は爆弾など破壊力が高い武器は、それ自体が国を滅ぼしかねないので禁止されています。

二つ目は主に政治家を守るための法律です。テロを起こさせないための法律とも言えます。

シリーズ3作目ではこの2つ目の一定クラス以上の人物への犯罪行為の禁止は撤廃されます。

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 結果的にこの3作目では議員や大統領候補が狙われることになります。

パージシリーズの時系列

パージシリーズの時系列はナンバリング順ではありません。

 まずは4作目のパージ:エクスペリメント

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 次にパージ1作目

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 そして、このパージ:アナーキーです。

さらに続編がパージ:大統領令です。

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 ちなみにどこから見ても十分楽しめるようになっています。

パージの魅力

1作目と比較して、このパージ:アナーキーには以下の特徴があります。

・登場人物の多様化

・シーンの映り替わり

・世界観の醸造

まず登場人物はそれぞれが訳ありです。

主人公のレオは自身の子どもを殺された復讐をしにいく途中でエヴァたちを助けるような心に葛藤のある人物です。

エヴァは貧困層の代表であり、女性という立場でも周りから狙われる存在です。

そんなエヴァは自分だけでなく娘のカリを守りたいと思っており、彼女を守るためならレオに嘘だってつきます。

カリは若さゆえの無謀さもありますが、絶対的な倫理観でレオを諭す重要な役割を持っています。

シェーンとリズは離婚まじかの不安定な存在です。生き延びるために一時的な共闘を行いますが、それでも二人の関係はパージに翻弄され続けます。

こういった人物の多様化が2作目で作品の深化に大きく貢献しています。

また、シーンの移り変わりが激しく、展開が早いのも視聴者を飽きさせない工夫が見れます。

特に「パージの世界で人々はどう動くのか?」という世界観の醸造はお見事です。

お金で人間狩りを楽しむものもいれば、その人間狩りのために人間を調達してくるやつもいれば、日ごろの恨みで行動するものもいれば、殺人を楽しむものもいます。それぞれがパージの日に各々動くことで展開の読めない作品と臨場感を生み出しています。

最後に

本作で最後に人の心を失わなかったレオは第3作目のパージ:大統領令にも出演しています。

ぜひさらにパワーアップした第三作目も楽しみに見てみてください!

映画ディアスキン 鹿革の殺人鬼のあらすじとネタバレ感想

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評価

 ★★★☆☆

 面白い作品、とまでは言えませんが着眼点はぶっとんでおり、作品としてそれなりにまとまっているので★2よりの★3としました。

 カメラワークにも少し癖があるので好みは分かれるところでしょう。

あらすじ

離婚協議中のジョルジュは、憧れの鹿革ジャケットを購入してから狂ったようにそのジャケットに執着するようになります。

ジャケット購入のために全財産を使い果たしたジョルジュは生活するお金がありません。仕方なく、彼は自らを映画監督と言い、バーで働くドゥニースを動画の編集担当として誘い、彼女からお金を借ります。

その頃からジョルジュは鹿革のジャケットから「自らがこの世で唯一のジャケットになりたい」という声が聞こえるようになり、ジョルジュは街のジャケットを一掃するために動きだします。

はじめはお金を払いジャケットを脱がせていた彼ですが、ついにお金が尽きてしまい、仕方なく、殺してジャケットを奪うようになります。

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結末ラスト

ジョルジュは自らの殺人をビデオに収めてドゥニースに渡します。彼女は映像の迫力に感動し、ジョルジュを積極的に手伝うようになります。

ある日ジョルジュが広場で撮影していると、以前石を投げてけがをさせた少年の父親に射殺されてしまいます。

それを撮影していたドゥニースは撮影を続けながら、ジョルジュから鹿革のジャケットを奪い取るのでした。

 ネタバレ感想・解説

変わった名前のタイトル通り、変わった内容のスラッシャーホラーでした。

鹿革のジャケットに魅入られた男が世界で唯一のジャケットになりたいというジャケットの願いを聞き入れ、ジャケットを着ている人間を惨殺していくという斬新な設定です。

多くの場合、出オチで出来の悪いCGを見せられうんざりするケースが多いこの手の映画の中で、CGは一切なし、俳優の演技力だけで勝負したこの映画はB級映画として、残念なところと、それなりに見どころのある映画でした。

鹿革に魅せられた男

この映画が「あまり金掛かってなさそう」と思う要因の一つが、ほとんどジョルジュの演技だけで構成されている点があげられます。

その点このジョルジュという男はじめから終わりまでつかみどころのない演技で、これが元々「変わった人」なのか、鹿革のジャケットで「変わってしまった人」なのかわかりずらいのですが、これが逆にはじめから終わりまで不気味な空気で飽きずに話を観きれます。

特に腹話術のようにモーテルでジャケットと会話する彼の演技はシリアスな雰囲気の中でどこか間抜けで、個人的には恐怖と笑いをミックスした状態を楽しむことができました。(何しろジャケットがしゃべってるシーンで思いっきりジョルジュの口が動いてますからね)

一方でもう少しスプラッタな展開があってもよさそうな気もしました。

殺人シーンは極めてシンプルで淡々と進みます。作品全体の雰囲気的には違和感ないものですが、スラッシャー映画を見慣れている人からすれば物足りなさを感じるかもしれません。

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ラストの意味

ラストでジョルジュが撃たれ、ドゥニースが駆け寄るシーンがあります。

そこでドゥニースがジョルジュからジャケットを奪い取り、着て撮影するシーンがあります。

この点からもジャケット自体が魔力を持っており、ドゥニースを次の操り対象として選んだことがわかります。

映画としてはここで終わりですが、この後ドゥニースがまたジャケットを着た人たちを殺しにいくことは想像に難くないでしょう。

映画モンスター・フェスティバルのあらすじとネタバレ感想

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 評価・レビュー

 ★★★☆☆

 ホラー映画好きが集まるお祭りに本当にモンスターたちが現れる。

観点はとてもいいですが、いまいちパンチが足りないですかね。

出てくるキャラクターもどこかホラー映画で見たことあるようなないような。

それでも流血シーンなどもあり、緩いコメディ要素もあるのでホラー映画好きだけが楽しめる作品になっています。

あらすじ

ダックスは幼いころに母親を失っていました。

彼女は心理学者である父親の患者に殺されました。

母親がホラー映画好きだったことが影響してか大きくなったダックスもいつのまにかホラー映画にのめりこんでいました。

ハロウィンの日「流血の祭り」というホラー映画をテーマにしたお祭りを楽しみにしていたダックスですが、父親の反対によりチケットを破られてしまいます。

父親はあの日の事件以来、ホラー映画によって人間は凶暴的な一面を持つことを主張していました。

それでも、流血の祭りに行きたいダックスは友人のサムとクリルに相談したダックスは、彼らから映画に出演したことのあるアシュリーにお願いすればいいと言われます。

ダックスはアシュリーに自分が入場できないかお願いすると、彼女はボーイフレンドで映画監督のレンジャミンに掛け合ってくれ、無事流血の祭りに参加することができるのでした。

お祭りは有名な映画ディレクターのアンソニー・ウォルシュの挨拶ではじまりました。彼はレッドという仮面をつけた男を舞台にあげ、最高のホラー映画製作に協力してくれる人を募集します。

二人の女性が手を上げて舞台に上がるとあっという間にレッドによって切り刻まれてしまいます。

 聴衆はそのリアルさに驚きましたが、歓喜の声を上げます。

今度は豚の仮面をかぶってチェーンソーを持った人たちが現れます。

彼らはウォルシュの合図とともに聴衆を切り刻み始めます。

ダックスたちはこれが単なるパフォーマンスではなく、本当に殺人が行われていることに気づきます。

急いで逃げ出した彼らはアシュリーが敷地の裏に秘密の出口があるといい、そこを目指すことにします。

しかし、行く手にはゾンビ、殺人鬼、レッド、ドラキュラなど多くのモンスターが立ちはだかるのでした。

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 結末ラスト

倉庫までたどり着いたダックスとサムはレッドに捕まってしまいます。

すると突然出口から父親のコンウェイが現れます。

彼はサムを離すように言うとレッドは言うことを聞いて、仮面を外します。

レッドは妹のジェイミーでした。

困惑するダックスはコンウェイが実はすべての黒幕で、ホラー映画好きを祭りに集め、虐殺することを計画しました。

コンウェイはダックスたちを見逃そうとしますが、手違いでドアがロックされてしまい逃げられません。仕方なく、コンウェイたちのあとを追ったダックスたちですが、主催者側の陰謀によりサムが凶暴化します。

サムの凶暴化の原因が入場のための腕輪にあると見たダックスは腕輪を破壊、コンウェイは死に、レッドは逃走、ダックスはサムと一緒に流血の祭りを後にするのでした。

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ネタバレ感想・解説

 「ホラー映画の法則が生き残る鍵」この手の映画最近はいっぱいありますよね。

映画で言えば、キャビンとかフィアーインクとかですかね。

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 さらにこの映画では結局、主人公とヒロイン以外は全滅するわけです。

さらに主人公も親父が黒幕だから運よく生き残るわけで、ヒロインは黒幕の息子に惚れられてるから生き残るわけで、ホラー映画の法則関係ないじゃん!というつっこみになります。

B級映画なのでそこまでのこだわりは見せなくてもいいんですけどね。

作品としてはそれなりにしっかり作ってあるのでそこが残念です。

ただ、ホラー映画としては不気味にできているので完成度は高めです。

ですのでホラー映画を見慣れていない人からすればチープな作品として、ホラー映画を見慣れている人からすれば、目新しさがないが安心して見れる作品として鑑賞可能です。

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最後に

特にラスト結末に向けてどんどん展開がチープになっていきます。

実はレッドが妹であることは唐突すぎるし、一方で父親が黒幕というのも薄々勘づく、しかもホラーの知識を~とくだりははじめのほうだけです。 完全に出オチ感のある作品でした。

超感染 ファイナルデッドの映画あらすじとネタバレ感想

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評価・レビュー

★★★☆☆

もちろんこれは新感染 ファイナルエクスプレスの便乗タイトルで、中身は続編でもパロディでも全く関係ない内容です。

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 タイトルからどうしても色眼鏡で見てしまいますが、プレーンに判断すると無難なゾンビ映画、というのがこの映画の評価になるでしょう。

おおよそ大きな目新しい展開もなく、人間模様のほうがむしろクローズアップしているのでパニックものとしてみると少し物足りなさを感じるでしょう。

ゾンビ映画隙が暇つぶしに見るにはぴったりの映画かと思います。

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あらすじ

リッチとその運転手のジャックはホテルに向かっています。

ジャックはその昔リッチが自分の母親の治療費を肩代わりしてくれたことに恩を感じ、ずっと彼の小間使いをしているのでした。

そんなリッチは高級ホテルでお金持ちのウーを接待しにいくところでした。

ホテルの部屋へ向かうリッチを待つ間、ジャックは駐車場で待っていました

そこで、アナウンサーのヘレンに出会います。

ヘレンは出世欲が強く、自分の冠番組を持つために、ウーを接待しにいくところでした。

しばらく車で待っていたジャックですが、リッチからの連絡でお酒を部屋に持ってくるように言われます。

エレベーターに乗り込んだジャックはふと大学時代の友人のマイケルに出会います。彼は記者になっていてウーを取材しにいくところでした。

意気投合した二人ですが、マイケルはウーに会いに、ジャックはまた駐車場に戻ります。

ところかわりホテルでは異変が起きていました。食堂では料理にむさぼりつくゾンビたちがおり、確実に感染は広まっていました。

ゾンビたちはリッチやウーたちのいる最上階のスイートルームまで向かっていました。

宴会も終わりかけたころ、リッチたちは外の異変に気づきます。部屋の外ではゾンビが迫っていました。

リッチは慌てて駐車場のジャックに自分のバットを持ってくるように言います。慌てて最上階へ向かったジャックたちはゾンビを撃退しながらホテルの脱出を試みながら、安全な軍事基地を目指すことにします。

途中、ウーが隠れ家にできる場所があると言い、まずはそこを目指します。

しかし、ウーの隠れ家にはすでに別の集団により占拠されていました。

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結末ラスト

ウーの隠れ家を目指した一行はそこにいた集団に歓迎されます。しかし、彼らは若いシンディを奪うことを企んでいました。

リッチの裏切りによって、まんまと罠にはまったジャックたちはシンディを奪われてしまいますが、隙をついて隠れ家を脱出します。

シンディも隙をついて逃げ出し、ウーと逃げます。しかし、その過程でウーが死んでしまいます。

ジャックは自分たちを裏切ったリッチとの型をつけるためにリッチと戦います。

最終的にリッチはヘレンによって射たれ、そのすきにジャックたちは逃げ出します。

車に乗り込むジャックとシンディとヘレンですが、エンジンがかかりません。仕方なくジャックは車を押しますが、迫りくるゾンビたちがジャックを襲います。ようやくエンジンがかかった車はヘレンとシンディを乗せて走りだすのでした。

 

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ネタバレ感想・解説

評価でも書いた通り、新感染 ファイナルエクスプレスとは全く関係のない映画です。

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こちらについては映画自体に罪はなく、日本の配給会社やタイトルをつけた人間が悪いのでご愛敬です。

 ジャンルとしてはゾンビコメディとなりますが、ゾンビに襲われるシーンも少なく、コメディ路線もところどころクスっとできる程度の気楽に見れる映画になっています。

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 映画の魅力

この映画の魅力はゾンビやコメディ要素ではなく、その人間模様にあります。

それぞれが訳ありの人間です。

ジャックは病気の母親を持ち、大学を中退、その後はリッチの言いなりになる小間使いで、心優しい一面がありつつ、少し知恵足らずのところがあります。気弱な性格もあってリッチからいいように使われてしまっています。

リッチは金もうけだけしか考えず、最後にはジャックたちを裏切ったりと自分のことしか考えていないとてもとても人間らしいクズです。

 ヘレンは負けん気が強いので、有名になるためなら賄賂をはじめ何でもしてきました。

今回はウーにお金を贈ろうとしましたが、ウーが欲しがったのはヘレンの身体だったのでセクシーなドレスを着て、枕営業をしにウーのもとへ向かっていました。

ウーは言わずもがな、金持ち=クズという典型的なパターンです。自分だけが軍事基地の場所を把握し、みんなに自分の命を守るように命令します。

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さて、それぞれの三者三様に程度の違いはあれ、”ダメ”なところを持つ人間同士で、このパニックをきっかけに心を入れ替えていきます。

ジャックは言われるがままのリッチの支配からの脱出を、ヘレンとウーはシンディという弱いものを守るための心を取り戻します。リッチは最後まで悪役でしたが、これはこれで重要な役でした。

新感染 ファイナルエクスプレスのタイトルに似せるのはいただけませんでしたが、あの作品も結局は心の浄化や人間同士の助け合いが大きなテーマになっているのでその点は通ずるものがあったと言えるでしょう。

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 最後に

超感染 ファイナルデッドは中国版のゾンビ映画として普通の出来ですが、様々な人間模様を見ることができる映画です。

駄作というほどではない作品であり、中国版のゾンビは珍しいので興味ある方はぜひご覧ください。

映画テリファー(terriffier)のあらすじとネタバレ感想

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 評価レビュー

★★★★☆

 スプラッタ映画・ゴア描写としては一級品の映画です。

もちろん見る人を選ぶ作品ですが、ファンとしては絶対に見るべき映画でしょう。

ダミアン・レオーネという監督ですが、すいません私は知りませんでした。ただ、ロブ・ゾンビを思わせるゴア描写や閉鎖的な世界観は今後の作品に期待してしまいます。

テリファーのあらすじ

テレビでインタビューを受けている一人の女性がいます。彼女の名前はビクトリア。

彼女は頭のおかしいピエロによって顔をぐちゃぐちゃにされてしまって人生が変わってしまったと告白します。

番組が終わりインタビュワーの女性は彼女の告白をあざ笑っていました。

すると物音がして後ろを振り返ると顔がぐちゃぐちゃになった彼女がいて、インタビュワーを襲います。

インタビュワーの顔もぐちゃぐちゃにした女は不敵な笑みを浮かべるのでした。

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 ところ変わり、タラは友人ドーンと遊びの帰り道でした。酔ったドーンの酔いを醒ますためにダイナーに入った彼女はふと向かいに黒い服を背負った気味の悪いピエロが座ったことに気づきます。

ドーンはピエロをからかっていましたが、彼は終始不敵な笑みを浮かべており、最後には店員に追い出されてしまいました。

 ダイナーをあとにしたタラたちはドーンの車で帰ろうとしますが、車がパンクしています。困ったタラは姉のビクトリアに迎えに来てくれるようにお願いし、自分は近くのビルにトイレを借りにいきました。

一人タラを待つドーンでしたが、ふと気づくと車にあのピエロがいるではありませんか。ドーンはそのままピエロに拉致されてしまいます。 

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 一人トイレにビルに入ったタラですが、そこではネズミの駆除をする業者の男と人形を大事そうに育てる不気味な女性がいました。

用を足したタラはあのピエロに襲われてしまいます。抵抗むなしく捕まった彼女は椅子に縛られてしまいますが、なんと向かいには全裸で逆さにつるされたドーンの姿が。ピエロはのこぎりで彼女の股を切り裂き、そのまま頭まで切り裂いてVの字にしていきます。

絶叫するタラですが、縛っていた椅子が壊れ、自身は逃げ出すことに成功しますが、結局ピエロに捕まってしまい、銃で殺されてしまいます。

 そのころタラを迎えに来たビクトリアですが、タラから連絡が入り(ピエロがメール送っていた)ビルに入っていきます。

同じころビルに住んでいた女、駆除業者の男とその同僚もピエロによって無残に殺されてしまいます。

 

ビクトリアがタラだと思い抱き上げた女性はタラではなくピエロでした。

驚いたビクトリアは逃げ出しますが、ピエロは何度も彼女を捕まえようと追いかけます。すると駆除業者の男がビクトリアを助けます。

警察に通報した彼はビクトリアと逃げ出そうとしますがピエロによって殺されてしまいます。

そのすきをついて逃げ出したビクトリアはビルの外に出て一安心します。

しかし、それもつかの間、車ごとビルの外から突っ込んできたピエロによってビクトリアは轢かれてしまいます。気を失ったビクトリアに近づいたピエロは彼女を顔面を食べ始めます。

 

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 結末ラスト

そのころ駆除業者の男が呼んだ警察が登場してピエロを捕まえようとします。

ピエロは足に隠した拳銃を抜き、自分の頭を吹き飛ばします。ビクトリアにはまだ息がありました。

検死室に遺体がいくつか運び込まれます。

検死官が状態を聞くと、無残な死体ばかりで、犯人は自殺を図ったことを伝えます。

検死を始めた彼は遺体の状態に驚きながら、自殺したピエロの死体袋を開けようとします。

すると突然停電し、不気味な声が聞こえます。

停電が復旧するとそこには起き上がったピエロがおり、検死官を殺して逃げ出します。

息のまだあったビクトリアは病院に運び込まれ数カ月後に退院していました。車いすの彼女の顔はぐちゃぐちゃになっていました。(はじめのインタビューの女性はビクトリアだった)

ネタバレ感想・解説

ピエロ映画といえば有名なものはIT(イット)のペニーワイズでしょう。

ペニーワイズはピエロの形をした悪魔です。

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 しかし、このテリファーのピエロはより残虐で、(ある意味)より人間らしいというか、殺人鬼です。

そういう意味では映画「道化死てるぜ!」のほうのピエロに近いです。 

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 開始早々に無残な女性の顔に驚くとともに、そこからタラのシーンに移り変わっていくにつれより残虐性が増していきます。

 

残虐作品として秀逸

 特にタラの友人ドーンが切り刻まれるシーンはこの映画の最高潮の場面であり、女●器をまっぷたつにしていくシーンなどはスプラッタ映画多しといえども中々ない、ゴア描写だったのではないでしょうか。

 (本当はそのシーンの画像ショットを載せたかったのですが、さすがにとんでもない描写になってしまうのでここでは自粛します)

そして、タラについては銃で殺されてしまうのですが、銃といえば”あっさり”とか”味気ない”とか言われそうですが、ところがどっこい顔面に何発もお見舞いするのでしっかりと残酷です。

そして、この作品の特徴は顔面破壊の描写がとても多く、しかも出来がいいということ。

顔を食べられたビクトリア、銃でハチの巣にされたタラ、切り刻まれたダイナーの主人、トンカチでぐちゃぐたにされた駆除業者の男など、顔面破壊の描写とその結果の作品がしっかりと画面にスクリーンインしてくるのはこの映画の特徴であり、特殊メイクのスタッフのこだわりとレベルの高さを感じます。

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 登場人物の多様性

さらに評価すべきは登場人物の多様性でしょう。

通常この手の映画でははじめから終わりまでヒロインが変わらないものです。

ここではタラがはじめから終わりまでしっかりと恐怖の伝導役として生き残るケースが多いですが、なんと途中でタラがあっさりと死亡。

 ビクトリアがその役を引き継ぎますが、前半後半と新鮮さを失わないまま最後まで見切ることができます。

また、わき役も秀逸です。

特にこのビルに住み着いている人形を抱えていた女性。

普通に見ると美人ですが、完全に目がイってしまっているのでこの人も地雷臭がしていました。特にピエロとこの女性の抱き合うシーンは、わかりあっている人間二人のはずなのに、もう嫌な予感がひしひしと伝わりながら、見ているこちらが逃げ出したい気持ちになって今でも印象に残っています。 

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最後に

スプラッタ、ゴア描写が好きな人はぜひともこのテリファーの鑑賞を強く推奨します。

一方で、耐性がない人にはおすすめできない作品です。

ピエロ映画にまた新しい歴史が刻まれることとなりました。

映画フィアー・インクのあらすじとネタバレ解説・感想

 

フィアー・インク

フィアー・インク

評価・レビュー

★★★☆☆

★4寄りの★3というところでしょうか。

ホラーコメディとなっていますが、シリアスな展開のほうが多く、コメディはおまけのようなものです。

むしろホラー映画ファンにしかわからないネタが多めになっているので「これのどこがコメディ?」と思う人も多いかと思います。

途中まではハラハラドキドキですが、後半は捻りすぎて逆に先が読める展開になっていきます。ラストは賛否わかれるところでしょうが、個人的には味気ない終わりかっただったので★3つです。

フィアー・インクのあらすじ

夜の駐車場で何かから女性が逃げています。
慌てて自分の車を目指す彼女は警備員に話しかけられますが、話半分に彼を追い払い自分の車に乗り込みます。
女性がラジオをつけるとラジオから話声が聞こえます。それは彼女を追い詰めるための話し合いのやりとりでした。
あわてて女性が逃げようとすると後部座席から首を絞められます。
ところ変わり、無職で人を驚かすこととホラー映画が大好きなジョーはお金持ちで恋人のリンジーと一緒に、お化け屋敷に行きますがあまりの子供だましにつまらなそうにしています。
するとある男がジョーに話しかけ「フィアー・インク」と書かれた名刺を渡します。
友人のベンとアシュリーに話すとフィアー・インクは今流行のエンターテイメント企業で、“恐怖”を提供してくれると話題の会社でした。
一方でフィアー・インクはやりすぎ、過激すぎるという批判もあり、ベンたちは絶対に電話をかけるなとジョーに釘を刺します。
退屈で仕方ないジョーは「フィアー・インク」に電話してしまいますが、電話に出た男から「もう売り切れです」と言われ、がっかりします。
しかし、その夜不気味な侵入者が家に押し入りアシュリーが殺されます。
驚いたジョーはリンジーとともに逃げ出しますが、捕まってしまいます。
ジョーが気付くと椅子にベンが縛り付けられていて、テレビ画面の向こうにはリンジーがベッドに縛り付けられています。
一人自由に動けるジョーは、フィアー・インクからベンの腕を切り落とすように言われます。
ジョーは仕方なく従いますが、次は部屋を出るためのカギを手に入れるためにベンの腹を切り裂けと言われます。
ジョーはベンの腹を切り裂きカギを取り出しますが、突然暗くなり、ベンがいなくなります。
すると今度はベッドのリンジーが襲われています。
慌てて彼女のもとへ向かったジョーはそこに現れた犯人と揉み合いになり、犯人を殺してしまいます。

結末ラスト

驚いたリンジーはこれは全部フェイクで、犯人役の彼はフィアー・インクの役者だと説明します。
そこでネタバラシのためにベンとアシュリーも現れますが、事態の深刻さから逃げ出してしまいます。
自首しようとするジョーですが、死体を始末できると言い張るリンジーはフィアー・インクの車に死んだ役者を載せます。
途中警察の車に止められましたが、なんとか逃げ切った彼らでしたが、ついにフィアー・インクの人間に捕まってしまいます。
復讐のためリンジーは殺され、一人生き残ったジョーは命からがら一軒のダイナーに助けを求めます。

なんとそこには殺されたはずのリンジーがおり、フィアー・インクのキャストがどんどん入ってきます。彼は全てドッキリだとネタばらしし、ビールを飲み始めました。

ジョーは安心したようにリンジーやベンたちと話していると突然フィアーインクの人間がベンを殺し、ジョーやリンジーも殺されてしまうのでした。

 ネタバレ解説・感想

 評価でも書いたとおり、ホラーコメディですがホラー要素がかなり強い作品です。

主人公のジョーがコメディよりのふざけた軽い人間ですが、彼が地獄のような体験をするので見ている側としてはホラーを見ている展開です。

フィアーインクとは

”客に人生最大の恐怖を与える”会社、それがフィアーインクです。

フィアーインクの見どころ

この映画の見どころはやはり「ドッキリなの?現実なの?」という展開でしょう。

映画で言えば、「スケアキャンペーン」などがそれにあたるのでしょうが、ドッキリを仕掛けたら本当に恐怖体験になってしまうのか?それともドッキリなのか?という微妙なラインをいきます。

ちなみに世の中としては前者のほうが多く、後者のように全てドッキリでした、というような展開は少ないですね。後者はやはり拍子抜け感が大きく映画として成り立たないからでしょう。(どうしても軽い作品になってしまうからでしょう)

ホラー映画好き向け

途中、いくつかホラー映画好きのための”ネタ”が散りばめられています。

個人的にはベンが殺されるフリをするSAWの拷問のシーン(のパロディ)がとても好きです。

縛られている人の体の中から鍵を探すなんて、テンション上がりますよね!

逆に言えば、元ネタを知らない人からすると「何が面白いの?」という白けた感想になってしまうので、ホラー映画好きのみ見ることをおすすめする映画でもあります。

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ラスト結末の解説

最後は結局ドッキリ(フェイク)だと思いきや実はフィアー・インクは殺人集団で、殺すことを生業にしている集団でした。

電話番もやる気のないお爺さんでした。

ラストについては賛否あると思いますが、個人的には少しあっさりしすぎなかなとも思います。

あそこまでドッキリに時間をかけたのに、殺すときは銃で一撃なんて。。。。もっとじっくり殺していくほうが見ごたえがあるように思いましたが、そこは尺の問題なのか文字通りサクっと終わってしまいます。

最後に

フィアー・インクはホラー映画好きにはおすすめの映画です。

コメディとしては笑えないシーンが多いのでそこは要注意です。

ただ、お客さんに「人生最大恐怖を与える会社」としてはラストでじっくりお客さんに恐怖を味合わせて欲しかったところです。

映画クランプス 魔物の儀式 のあらすじとネタバレ感想【クリスマスの化け物】

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評価・レビュー

★★★★☆

クリスマスホラー決定版不在の中、1つの良作を発見。それがこのクランプスです。

モンスターパニックものとしては普通の出来ではありますが、クリスマスという設定でのホラーとしてここまで楽しめれば十分です。

当然クリスマスに見たほうが盛り上がります。

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あらすじ

 マックスはクリスマスを楽しみにしています。彼はサンタクロースを信じていましたが、一つだけ憂鬱なことがあります。

それは仲の悪い意地悪な叔母の一家が来ることです。

今年のクリスマスも例年通り険悪な雰囲気になり、マックスが隠していたサンタへの手紙をいとこのスティービーに見られてしまい笑いものにされます。

怒ったマックスは部屋に戻り、サンタへの手紙を破り捨てて窓から捨ててしまいます。

翌日のクリスマスイブ、マックスの家の近くはすべて停電になり、外は猛吹雪になっています。

マックスの姉のベスは彼氏のデレクと連絡がとれないため彼の家に様子を見に行きますが、その途中巨大な怪物クランプスに襲われてしまいます。

クランプスはクリスマスに感謝しない人たちに感謝のきもちを思い出させるために現れる怪物でした。その後もマックスたちはクランプスとその手下の化け物たちに一人、また一人と襲われていくのでした。

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結末ラスト

祖母オミからクランプスの正体を聞き、震え上がる一行でしたが、父親のトムはみんなを連れて除雪車のところへ行くことを提案します。

しかし、結局マックス以外は全員クランプスに連れていかれてしまいます。

マックスは勇気を出してクランプスに向かって、クリスマスを軽んじたこと、手紙を破ったこと、彼が家族なんていなくなればいいと祈ったことを謝ります。

クランプスはマックスの言うことを聞いていましたが、彼を捕まえると地面の割れ目の中に放り投げます。

万事休すかと思ったマックスですが、目を覚ますとそこはまたクリスマスの夜でした。

階下に降りると家族は全員集まっています。すべて夢だったかと思ったマックスですが、クリスマスプレゼントの中にクランプスの鈴を見つけます。

それを見た家族の表情は固まります。

全員が同じ経験をしており、クランプスに襲われた夜を覚えていたのです。

マックスはすべてを悟り、クリスマスを心から祝うことを誓うのでした。

 ネタバレ感想・解説

クリスマス映画といえば何を思い浮かべるでしょうか?

クリスマスキャロル?ホームアローン?ダイハード?

おそらくその中でホラー映画を出す人はいないでしょう。

クリスマスのホラー映画不在は深刻で、12月は悪魔にとって最悪な月なのです。

さて、そんな中で久しぶりのクリスマス当たりB級映画がこちら、クランプス魔物の儀式です。

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 クリスマスの悪魔

これまで多くがクリスマス、というよりはサンタクロースを悪魔化したホラーがよく作成されていました。

 例えばこちら、サイレントナイト↓

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 サイレントナイト 悪魔のサンタクロースは正確にはサンタの悪魔ではありませんが、サンタに扮した殺人鬼の話です。

一方で今回は裏サンタのような存在でクリスマスを信じない人間を容赦なく攻撃するというトンデモ化け物です。

しかも特に特別な儀式は必要なく、多少の家族の不仲と一時的なクリスマスへの冒涜によって突然現れ、圧倒的な力で家族を粉砕していきます。

 全滅まっしぐらな展開

 マックスのお姉さんベスが映画のはじめに早々にスクリーンアウトしたところから怒涛のスピードで、子供が拉致⇒リジェクトされていきます。

化け物もはじめはおもちゃの延長線上にあるような ちゃちい相手でしたが、後半は巨大なクランプスをはじめ、その部下のような不気味な仮面をつけた奴らが取り囲む絶望的展開でした。

逆に言えば、ここまで子供が死ぬ映画なら絶対ラストはアレだなと読めるシナリオでした。

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ラスト結末の解説

 ラストは一言で言えば夢オチでした。

祖母のオミのときはオミを残して家族は全滅しましたが、今回はマックスがクリスマスの感謝の気持ちを忘れていないという告白をラストすることで、時が戻り全部元通りになりました。一方で家族全員クランプスにやられたことは覚えており、今後も家族はクリスマスを大事にしましたとさ、というオチです。

クランプスが現れる条件も緩ければ、許される条件も緩いなんとも設定はガバガバな映画ですが、まあクリスマスホラーはこのレベルでも面白いというまだまだ発展途上の段階なんですね。

最後に

クリスマスにホラーを見たいと思ったらこのクランプス 魔物の儀式はおすすめです。

この映画を見たあとにはまた違った気持ちでクリスマスを迎えられることでしょう。 

映画チャイルド・プレイ(2019)のあらすじとネタバレ感想

 「チャイルドプレイ 2019」の画像検索結果

評価・レビュー

★★★☆☆

チャイルドプレイ(2019)はチャイルドプレイのリブート版です。

リブートはリメイクと違い、設定や世界観がもともとの作品と違うケースが多く、このチャイルドプレイ(2019)も設定や展開が大きく変わっています。

結果的に、面白い題材がそろっていたにも関わらず作り込みが甘いかなと思いました。

そのため、チャイルドプレイと思わなければ満足できる作品、チャイルドプレイのリブートと思うと少し物足りなさを感じる人が多いように思います。

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映画あらすじ

 ベトナムのとある工場。ここでは最先端テクノロジー企業・カスラン社の新商品で、音声認識やセンサー付きカメラなど高度な機能を備えた人形"バディ人形"を作っていました。

男は上司からクビにされた腹いせに一体の人形の暴力性や言語性のリミッターを解除して出荷します。

ところかわり、アンディはシングルマザーの母親と街へ引っ越してきます。母親は嫌味な恋人と付き合っており、ある日例の人形をプレゼントしてくれます。

人形は”チャッキー”と名乗り、アンディーが一番の親友だとしゃべりだします。

引っ越してきたばかりで友達がいないアンディーにとってチャッキーは一番の友人になりました。しかし、アンディーはこの人形が高度な知能だけでなく、破壊的な衝動を持っていることに気づき始めるのでした。

ネタバレ解説・感想

 チャイルドプレイは元々は犯罪者の悪しき魂(意識)が人形に宿ってしまい、チャッキーという人形が自由意思を持ち、次々と人々を殺して回る作品でした。

しかし、リブート版の本作では、チャッキーはAIを搭載したハイテク人形であり、もはやロボットというほうが正しいものになりました。

これにより、いくつかの影響が作品に出ました。

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 いい影響

まず作品にリアリティが出ます。

犯罪者の意識が流れ込む人形というSFではなく、「ありえるかも」というより現実味のある内容になります。子供は時に残酷な存在です。思ってもいなくても「いなくなっちゃえ」とか「死んじゃえ」なんかの言葉を言ったり、バッタを捕まえて足を引っこ抜いたり、純粋ゆえにブレーキがありません。チャッキーはまさにその子供の純粋かつ残酷さを完全に受け入れたのです。

ただ一つ、チャッキーが普通の子供が違うのは精神能力の成長よりも学習能力が格段に高いということです。つまり、殺す、ということについて実際に実行できてしまうということです。

また、二つ目のいい影響として純粋なチャッキーが見れるということです。

原作でのチャッキーは完全悪に近い存在でしたが、本作のチャッキーはあくまでも学習を重ねて悪事を知っていくので純粋な心を持った0の状態からスタートします。そのため開始40分くらいはかわいいチャッキーを楽しむことができます。

いまいちな影響

残念な部分としては開始60分くらいはチャッキーがおとなしいのでつまらないということです。

純粋な作品としてはこれでいいのですが、チャイルドプレイファンの多くはチャッキーの大暴れを見たかったのだと思うのですが、中々チャッキーが殺人について学習し終わらないのです。

これについては賛否両論あるのでしょうが、個人的にはもう少し早くチャッキーには殺人に取り組んでほしかったところです。

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作りこみが甘い

個人的には微妙な評価になってしまった本作ですが、最大の原因は作りこみにあります。

「いまいちな影響」でも書いた通り、展開が遅いです。ラストのショッピングモールでの大乱闘まで、静かにゆっくり進んでいくのでそこを退屈に感じてしまいます。

そして、チャッキーの純粋さはもう少し丁寧に描いてもよかったかもです。

はじめにベトナムの技師がいじったのはリミッターだけなので、もっと純粋な愛らしいチャッキーがあればもっとその後の変貌に濃淡がついたかもしれません。

登場人物もいまいちな存在です。

母親はシングルマザーですが、ダメ男にうつつを抜かし、子供の前で性行為をし、店の商品を勝手に持って帰るいまいちな女です。

友人たちもあまりぱっとしない感じですし、印象に残るのは警察官ぐらいでしょうか。そこの設定もしっかり作って欲しかったところです。

最後に

それでも殺人描写なんかは気合入って作られて、無邪気に残酷なところはグッドです。

リブート作品というのは続編ができやすい傾向があるのでもしかしたらこの続編も作られるかもしれません。続編に期待です。

ちなみに私は同じ監督・制作チームのポラロイドという映画のほうが好きです。

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映画ゾンビの中心で、愛をさけぶ の評価・あらすじとネタバレ感想

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映画評価・レビュー

★★★★☆

ゾンビの中心で愛を叫ぶ は題名こそ「世界の〇〇で愛を叫ぶ」のパクりですが、正直題名としてはこれしかないだろう、というベストなタイトルでしょう。

肝心な中身はジャンクなパロディ作品かと思いきや、これも期待をいい意味で裏切る良作でした。

ゾンビ世界という極限状態で人間関係を回復する二人は、ある日を境に文字通り別世界へ行ったように世界が変わってしまう、着眼点も素晴らしく暴力描写も控えめなので誰にでもおすすめできる作品になっています。 

 あらすじ

カレンとジョンは離婚寸前の夫婦。カレンは過去に死産で子供を失って、それ以来自身も妊娠できない身体になってしまい、夫婦仲もギクシャクするようになりました。

ある日、ゾンビウィルスが蔓延し、彼らは運命共同体として、マンションの自室に閉じこもることになります。

食料を確保し、救助を待つまでの時間、二人は初めはぎくしゃくしていましたが、カレンは我慢することをやめ、昼間からワインを飲み、自身が押収保管庫から盗んできたドラッグをやりはじめます。 ジョンもたまらずドラッグをやります。

ドラッグでハイになった二人はこのまま助けを待っているだけではダメだと思い、自分の身は自分たちで守るため身体を鍛えはじめます。

そんな日々を続けていくうちに二人は失った夫婦関係を取り戻していきます。

ある日、二人の部屋にマンションの住人が訪ねてきます。

ジョンたちは彼らを招き入れますが、数少ない食料を分け与えたくなく、二人を追い出そうと策略を考えます。

結末ラスト

 ある日、カレンがゾンビに噛まれてしまいます。

渇きを感じるカレンにジョンは自らの血を与えます。

ジョンが朝起きるとカレンがいません。代わりに手紙があります。

余命をさとったカレンはジョンに自分を殺すように手紙でお願いします。

ゾンビ化したカレンは自分を子供部屋に縛り付けており、ジョンは銃を構えます。

その時、救助隊が突入してきました。

彼らは部屋を念入りに捜索し、子供部屋で手をくくりつけ、ゾンビになったカレンをジョンを見つけるのでした。 

映画ネタバレ感想

感想レビューのところでも触れましたが、とても面白い作品です。

ゾンビものはパニックものが主流であくまで個人が生き残りをかけるサバイバルものが多いですが、この映画の二人ジョンとカレンはサバイバルらしくないサバイバルを繰り広げます。

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ゾンビ映画?恋愛映画?

通常ゾンビ映画というのは一つの場所にとどまることをしません。

災害時を含めて、ゾンビの世界でも基本的には動かないで安全な場所で救助を待つのが一番生存率が高そうですが、映画では生存率が高いシナリオでは盛り上がりに欠けるからです。

ですので通常は、街を移動したり、車に乗ったり、時にはショッピングモールにいったりと活発に活動して、無事(?)ゾンビに襲われるというのが王道なのです。

この映画の二人ジョンとカレンは部屋から動きません。

もちろん結果的に場面も動かず、状況も動かず、ゾンビの脅威にさらされるのは本編でも数回しかありません。

動くのは場面ではなく、二人の心の関係です。

この映画はゾンビ映画というよりは恋愛映画に近いものと言えます。

ゾンビの恋愛ものというと、ウォームボディーズがありますが、やはりゾンビと人間の恋愛ものはどちらかというと(笑)か(苦笑)なわけですのでこういうゾンビ環境下での恋愛映画というのも視点がとても面白いです。

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 二人の夜の営み

通常夫婦の仲というのは結婚とともに冷めていくもので、夜の営みを持つのは大半が子作りのためです。ここで興味深いのは、子供が産めない身体になってしまったジョンとカレンにとって夜の営みは真の恋愛行為だったということです。

夫婦関係の改善というお題目の中で夜の営みが出てくるのは当然のように思いますが、これは結構うまいことできてるなと思った部分です。

むしろゾンビの蔓延する世界で子供を産むこと自体危険だと思いますので、子供が産めない身体になったカレンには結果的にプラスに働いたことだったとも考えられますね。

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ラスト結末の評価

いいですよね、ラスト。

どうオチるのかなと楽しみにしていましたが、想定通りの納得の終わり方です。

 これしかないですよね。

ジョンはやっぱりカレンを殺せなかった、むしろカレンのいない生活なんてありえないジョンは自らもゾンビになり、カレンと一緒にいることを選択したのです。

まさに我が人生に一遍の悔いなし、という感じでジョンもカレンも幸せだったと思いますね。

やはりそう考えると映画ミストのようなバッドエンドはやはりよくないな、と感じました。

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 最後に

見やすい映画で、ゾンビもののあたり映画と言っていいのではないでしょうか?タイトルで地雷臭がしてしまうのは少し損しています。タイトルで地雷と言えばこちらのも危険な香りがしますが、見てみると大分まともなゾンビ映画なのでお薦めです。

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ハッピー・デス・デイのあらすじとネタバレ感想

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 ハッピー・デス・デイの評価

★★★★★

ループスリラーもの、ホラーコメディもの、どのジャンルで見ても面白い作品でした。

特にスラッシャーものは一般の方からは敬遠されがちな映画ですが、このハッピー・デス・デイは普段ホラーを見慣れていない人でも十分楽しめる内容になっています。

 ハッピー・デス・デイのあらすじ

大学生のツリーは自由を謳歌する大学生です。誕生日の前日も浴びるように酒を飲み名前も知らない男(彼の名前はカーター)のベッドで目を覚まします。

ふと携帯には父親からの着信があります。

彼女は数年前に他界した母が自分と同じ誕生日であったことから、自分の誕生日を素直に祝えないでいました。

彼女はカーターの部屋から出て寮に戻ると同じ寮のダニエルから声をかけられます。また、病院でアルバイトをしている真面目な性格のルームメイトのロリは自分用に誕生日のケーキを渡してくれましたが、ツリーは食べずに授業へ向かってしまいます。

その日の夜、パーティに行くために夜道を歩いていたツリーは突然大学のマスコットキャラのベビーマスクのお面を被った男に襲われます。

必死の抵抗も空しくツリーは殺されてしまいますが、ふと彼女が目を覚ますとそこはまたカーターのベッドでした。

するとまた父親からの着信があり、すでに経験した自分の誕生日が全く同じように繰り返されるのです。しかも最後にはまたベビー・マスクによって殺され、またカーターのベッドで目を覚ますのでした。

ツリーはそんな自分が殺される日が無限ループする世界から脱出するために、カーターと共にベビー・マスクを見つけ出し、自分を殺すことを止めるしかないと決意するのでした。

ツリーは何度も死のループを繰り返すうちに連続殺人犯のトゥームズがベビーマスクであることを突き止めます。そして、彼に殺される前に病院で彼を殺すことに成功するのでした。

喜ぶツリーはカーターと誕生日を祝いますが、目を覚ますとまた18日の朝に戻っているのでした。

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 結末ラスト

トゥームズが ベビーマスクでないことを知ったツリーは混乱しながら寮までまた戻ります。

いつものようにロリからケーキをもらいますが、その時に誕生日を祝った直後に死んだことに気づきます。

ロリこそ真犯人で、ケーキに毒が入っていたのでした。また、トゥームズの拘束を解けたのはロリなら可能でした。

ロリを問い詰めると彼女はグレゴリーとの関係に嫉妬していたことを話し出し犯人であることを告白します。

もみ合いになるツリーとロリ、ツリーはやっとのことでロリを窓から突き落とし事件は解決しました。

ふとロリが目覚めると、またカーターのベッドの中にいます。

驚くロリですが、カーターはふざけていただけですでに19日になっていることをロリに告げるのでした。

 ハッピー・デス・デイのネタバレ感想

 かつて映画ゲット・アウトでアカデミー賞を取ったジョーダン・ピールが「ホラーとコメディは同じなんだ」と言っていたことがあります。

彼の真意はわかりませんが、ハッピー・デス・デイは「死」というシリアスな話題を非常にポップに作り替えています。それはループというSF要素であり、ツリーという天真爛漫な女性であり、学園物という設定、全てがうまく機能し、素晴らしい作品に仕上がっています。

スクリーム以来の学園ホラー

 学園もののホラーと言えば、「Hi,シドニー」のセリフが印象な映画スクリームが有名でしょうが、スクリーム以来の良質ホラーであると言えます。

ホラー映画として前半はシリアス、特にベビーマスクが出てくるところはホラー苦手な人は結構びびったのではないでしょうか。

それでも一般の人が見ることができるのはそこに学園物の要素が入るから。

 学園という閉鎖的な空間では警察や親ではなく、自分や友達で事件を解決するしかない中で奮闘し、友情あり、恋愛ありの展開はシリアスな展開の中でも勇気を観客に与えてくれます。それが作品に深みを与え、いつしかホラーの中に笑いを生むことができます。

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ジェシカ・ローテの天真爛漫演技

そして、この映画の立役者は主人公のジェシカローテでしょう。

1987年生まれの彼女は大学生にしては老けている一方で、芸歴も長いせいか見事にツリーを演じています。

はじめ、ツリーは誰とでも寝る、友達を軽んじる、自己中、など嫌な女の典型という女性でした。

まあそれは天性のものではなく、母親の死から目を反らすがゆえに、自らからも目を反らしていた結果ではあるのですが。

しかし、痛い目を見るうちに自らの行いを改め、真っ当な人間に変貌していきます。

ある意味投げやりな人生から、純粋に”生きたい”という目標を見つけ必死に戦う姿は見ているこちらも温かい気持ちになりました。

タイムループものの欠点を見事に補う

スリラージャンルの中でもタイムループものは結構厳しい評価がつきがちです。

 例えばループものですと以下のような作品があります。

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 タイムループものが厳しい評価になる原因は辻褄やタイムループの原因など、映画の面白さの本質から離れた部分が気になってしまうからです。(そもそもSFなのでそういうところはご愛敬なはずなのですが・・・)

つまり、タイムループものの基本は"そういうこと"をいかに気にさせないインパクトを持たせるか、に尽きるわけですがこのハッピー・デス・デイはそこを見事に乗り切っているわけです。

最後に

続編も日本では同時公開されています。

3作目も製作が決定しているそうですので、楽しみです。

2作目であるハッピー・デス・デイ 2Uはこの1の正統派続編になっていますのでまずは必ず1を見てからにしましょう。できれば2作品同時に見るのがとても面白いと思います。